ルービンシュタインコンクールとイスラエルの文化に触れる旅
大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...
新型コロナウイルスの蔓延で海外への自由な移動ができなくなり、行きたい場所にも行けない今日この頃。観光ならビザなしで行ける国がほとんどという日本のパスポートを持っていると、ギャップがより大きなものに感じられます。
そんななか、予定されていた数々の国際コンクールが延期を余儀なくされています。第16回ルービンシュタイン国際ピアノコンクールも、この5月に開催予定だったもののひとつ。
このコンクールは、3年に一度イスラエルのテル・アビブで行なわれ、過去にエマニュエル・アックスやゲルハルト・オピッツ、アレクサンダー・ガヴリリュクやダニール・トリフォノフなどが優勝しています。
アルトゥール・ルービンシュタイン(ポーランド出身のピアニスト/1887-1982)
同コンクールの取材のため、6年前にイスラエルを訪ねました。コンクールが行なわれる5月は、初夏の気持ちのよい季節。テル・アビブは地中海に面したビーチがどこまでも続き、リゾート地としても人気です。コンクールの合間にビーチを散歩し、海で泳ぐことも楽しみのひとつでした。
ユダヤの生活文化に触れるのも興味深い経験でした。旅人にとって初めは驚かずにいられないのが、金曜日の日没から土曜日にある「安息日」(シャバト)の習慣。
安息日には機械を操作したり、火を扱ったりしてはいけないそうで、レストランが閉まっているのはもちろん、アパートの階段の電気がつかなかったり、エレベーターが各階停止の自動運転になっていたりと(ボタンを操作しなくていいようにだそう)、日常の細かいところに浸透する形で戒律の存在を体感することになりました。
コンクールの空き日にエルサレムにも出かけました。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地という複雑な歴史を持つ場所を歩き回ると、いろいろなことを考えさせられました。
日常が戻ってきたときの旅先の候補のひとつとして、イスラエル、いかがでしょうか。
2020年5月に開催されたARVP(アルトゥール・ルービンシュタイン・バーチャル・ピアノフェス)2020ダイジェスト動画
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