今週の音楽家の名言【ピアニスト・小菅優】
2025.06.05
30秒でわかるスメタナ:交響詩《モルダウ》
ショパン:練習曲第12番《革命》について30秒で丸わかり♪
ピアノ練習曲(エチュード)というと一般には指の鍛錬や演奏技巧の習得のための課題曲を指しますが、キャラクター・ピース(性格的小品)が好まれた19世紀ロマン派の時代には技巧性とともにロマン的な感情や情緒の表現を打ち出した練習曲が発達しました。
フレデリック・ショパン(1810〜49)の練習曲はまさにその代表的な例で、もちろん演奏技巧の訓練のためのきわめて高度な課題を追求した曲であることには違いないのですが、それがロマン的な音楽表現と結び付けられて、高い芸術性を追求することを意図した練習曲となっています。
彼の練習曲はそれぞれ12曲からなる2集の曲集(op.10とop.25)にまとめられていますが、そのうちのop.10の最後に置かれたハ短調のこの曲は、1831年パリへ赴く途上、ロシアがワルシャワに侵攻したとの報を聞いたショパンが故国ポーランドを憂えて作曲したといわれており、そのため《革命》の通称で親しまれています。いかにも怒りと不安を表現するように、起伏ある左手の動きに対して右手が激烈な主題を奏でていきます。
作曲年: 1831年
演奏時間: 約2分半
編成: ピアノ