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2025.06.05
名曲解説100

30秒でわかるショパン:練習曲第12番《革命》

ショパン:練習曲第12番《革命》について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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ピアノ練習曲(エチュード)というと一般には指の鍛錬や演奏技巧の習得のための課題曲を指しますが、キャラクター・ピース(性格的小品)が好まれた19世紀ロマン派の時代には技巧性とともにロマン的な感情や情緒の表現を打ち出した練習曲が発達しました。

フレデリック・ショパン(1810〜49)の練習曲はまさにその代表的な例で、もちろん演奏技巧の訓練のためのきわめて高度な課題を追求した曲であることには違いないのですが、それがロマン的な音楽表現と結び付けられて、高い芸術性を追求することを意図した練習曲となっています。

彼の練習曲はそれぞれ12曲からなる2集の曲集(op.10とop.25)にまとめられていますが、そのうちのop.10の最後に置かれたハ短調のこの曲は、1831年パリへ赴く途上、ロシアがワルシャワに侵攻したとの報を聞いたショパンが故国ポーランドを憂えて作曲したといわれており、そのため《革命》の通称で親しまれています。いかにも怒りと不安を表現するように、起伏ある左手の動きに対して右手が激烈な主題を奏でていきます。

ショパン:練習曲第12番 ハ短調《革命》op.10-12

作曲年: 1831年

演奏時間: 約2分半

編成: ピアノ

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寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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