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2025.11.13
名曲解説100

30秒でわかるショパン:夜想曲 作品9-2

ショパン:夜想曲 作品9-2について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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ピアノのための夜想曲(ノクターン)というジャンルは19世紀初めにアイルランドのピアニスト兼作曲家ジョン・フィールドが創始したもので、叙情的な旋律美を中心とする夢想的な性格を特徴としています。フレデリック・ショパン(1810~1849)は、そうしたフィールドの夜想曲の特徴を受け継ぎつつも、そこにさらに深い内容を盛り込んで高い芸術性を持った夜想曲を生み出していきました。

一般に第2番として知られているこの変ホ長調の作品は、ショパンの夜想曲の中では比較的早い時期の作品で、夢心地ともいえるようなロマンティックな叙情美ゆえにショパンの全作品の中でもとりわけ広く親しまれている名曲です。

何よりも主題の旋律の甘美さがこの曲の特徴で、しかも旋律は再現されるたびに装飾を施されて変奏されていきます。そうした旋律の特色や装飾法には当時のイタリアのベル・カント・オペラの歌唱法に通じるものが見られます。ショパンは特にベッリーニのオペラを好んでおり、その影響を強く受けていました。

ショパン:夜想曲 作品9-2

作曲年:1830~31年

演奏時間:約4分

編成:ピアノ

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