プレイリスト
2022.08.17
ただいまショパン第9回

3つのノクターンOp.9――親友プレイエルの妻に献呈され、初めて出版されたノクターン

ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

イラスト:本間ちひろ

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

3つのノクターンOp.9

作品9の3曲はワルシャワ時代からパリの生活をはじめた最初のころに作られたもので、ショパン最初のノクターンとして1832年に出版された。献呈相手のマリー・プレイエルは、ショパンの友人でピアノ製造業者プレイエルの妻だったが、まもなく離婚した。その美貌と才能あふれる演奏で注目され、ブリュッセル音楽院の教授を長年つとめた。《ノクターン》変ロ短調・作品9の1はマリーにふさわしく、どこかけだるい美しさにあふれる。《ノクターン》変ホ長調・作品9の2は映画の主題歌に使われるなど、広く知られたノクターンだ。左手はほとんど同じ音型の伴奏で、右手には装飾音で旋律が変奏されていく。《ノクターン》ロ長調・作品9の3は8分の6拍子で行きつ戻りつするかのような旋律にはじまり、やがて2分の2拍子アジタートになって感情を高ぶらせる。

——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)190ページより

 

ついにショパンの代名詞の一つとも言えるノクターンが登場! ノクターンの意味や成り立ちについては、「ノクターン:実はイギリス発祥! 新型ピアノの性能アピールからの大ヒット」をご参照ください。

Op.9の3曲はワルシャワからウィーンを経てパリに移住する激動の時期に作曲されました。献呈されたマリーの夫で友人のプレイエル以外に、この時期にはリストやメンデルスゾーンとも親しくなりました。

マリー・プレイエル
(1811〜1875年)
作品紹介

3つのノクターンOp.9

作曲年代:1831年(ショパン21歳)

出版:1832年

献呈:マリー・プレイエル(ショパンの友人カミーユ・プレイエルの妻でベルリオーズの元婚約者)

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ