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2026.01.19
名曲解説100

30秒でわかるドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調

ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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ボヘミア民族主義を代表する作曲家として知られるアントニン・ドヴォルジャーク(1841~1904)ですが、晩年の一時期、母国ボヘミアを離れてニューヨークの音楽院の院長を務めています。このアメリカ時代の作品には母国への郷愁の念が滲み出たものが多く、アメリカでの最後の作品となったこのチェロ協奏曲は、特にそうした感情が色濃く現れています。豊かなスケール感のうちにチェロと管弦楽の表現力をフルに発揮させた大作で、古今のチェロ協奏曲の最高峰といっても過言ではない傑作です。

第1楽章は協奏的ソナタ形式で、悲愴感を湛えた第1主題と5音音階によるノスタルジックな第2主題を軸に、劇的かつ壮大に運ばれていきます。第2楽章は、憧憬と孤独な思いを綴ったような叙情的な緩徐楽章。第3楽章は、民俗的な主題を中心に技巧的なチェロと雄弁な管弦楽が起伏に満ちた発展を繰り広げるフィナーレです。

なお、この作品にはドヴォルジャークのかつて恋人ヨゼフィーナ(結局その妹が妻となった)が好んだ歌曲が第2楽章中間部と第3楽章コーダに引用(後者は一応完成した後に彼女の死を知って加筆されたもの)されており、それがこの協奏曲の郷愁味を一層高めているといえるでしょう。

ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲 ロ短調

作曲年:1894~95年

演奏時間:約40分

編成:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン3、トランペット2、トロンボーン3、テューバ1、ティンパニ、トライアングル、弦5部

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