読みもの
2022.11.23
高坂はる香の「思いつき☆こばなし」第115話

【公演情報】ロン=ティボー・コンクールを沸かせたピアニストの演奏が日本で聴ける!

11月上旬にパリで開催され、亀井聖矢さんとイ・ヒョクさんの同時優勝で話題となった、ロン=ティボー国際音楽コンクール・ピアノ部門。

この12月から1月にかけて、日本では、予選からファイナルのステージで熱演を聴かせてくれたピアニストたちのコンサートがいくつか予定されています。

高坂はる香
高坂はる香 音楽ライター

大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...

優勝を喜び合う亀井聖矢さんとイ・ヒョクさん(撮影:筆者)

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亀井聖矢さんのコンチェルト3公演

亀井聖矢さんの12月11日のソロ・リサイタル、その後の角野隼斗さんとのデュオ公演はコンクール前からすでに完売していましたが、他に、コンチェルトを聴ける演奏会があります。

まず12月4日には、三重で太田弦さん指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団とラフマニノフの3番を演奏。

そして年明け、東京フィルハーモニー交響楽団のニューイヤーコンサートでは、Bunkamuraオーチャードホールリストの1番川口ラフマニノフの2番を披露します。

いずれも華やかで、亀井さんの“魅せるピアノ”にピッタリのレパートリー。しかし一体どうしてこうなった、というくらい全部違うプログラム、大変そう。

でも大丈夫。全世界配信中のコンクールの授賞式で、想定外に、予選の課題曲をいきなり弾けといわれても完璧にこなす亀井さんのことですから、完璧にすべてのステージで魅了してくれるはず!(ロン=ティボーコンクール結果発表の配信をご覧になっていた方は、ご存知かと思います……なんの試練だ、と思いましたね)

ロン=ティボー国際音楽コンクール・ピアノ部門のファイナルの舞台にて。亀井聖矢さん(中央)とイ・ヒョクさん(右)© Corentin Schimel

イ・ヒョクさんはチャクムルさんと2台ピアノで《第九》を

イ・ヒョクさん12月18日にすでに浜松での公演が決まっていました。

ヒョクさんが入賞した2018年の浜松コンクールの優勝者、ジャン・チャクムルさんと、ベートーヴェン《第九》のリストによる2台ピアノ編曲版を演奏します。

あの前向きなヒョクさんのサウンドで聴く《第九》、良い思い出も悪い思い出もパッと昇華させたい年末にぴったりです。

京増修史さんのリサイタルは気合の入った内容

今回、コンクール予選の初日にトップで演奏し、緊張したに違いない状況の中、端正な音楽を届けてくれた京増修史さんは、12月9日浜離宮朝日ホールでのリサイタルが予定されています。ベートーヴェンの28番やリストのロ短調ソナタが並ぶ、気合の入った内容。

ロ短調ソナタは、ロン=ティボーのセミファイナルでも演奏予定だった演目ですね。ここで思う存分披露してほしい。

日本生まれ、アメリカ、フランス育ちの戸室玄さん。33歳、コンクールには向かないと言われ続け、今回が大きな国際コンクール初挑戦ということでしたが、パワーのあるおおらかな音楽が強い印象を残したピアニストです。

 12月9日に、東京、五反田の清泉女子大学講堂で行なわれるウクライナ医療支援チャリティコンサートで演奏します。

ロン=ティボー国際音楽コンクール・ピアノ部門の予選でトップに演奏した京増修史さん

マルセル田所さんが東京デビュー!

今年はヴァン・クライバーンコンクールでセミファイナリスト、サンタンデールコンクールで第3位となって注目されたマルセル田所さんは、12月23日浜離宮朝日ホールで東京デビューとなるリサイタルを予定。ストラヴィンスキーやラフマニノフで、闇とファンタジーとエレガンスが混ざり合うマルセル・ワールドを炸裂させてくれることでしょう。

年明け1月にも、12日ベヒシュタイン・セントラム東京、14日大阪南港サンセットホール、16日名古屋の宗次ホールでリサイタルが続きます。

その音楽性を育んだものについては、クライバーンコンクール中に行なったインタビューが興味深いものになっていますので、ぜひコンサート前にお読みください。

高坂はる香
高坂はる香 音楽ライター

大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...

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