クラシック作曲家ってどうやってお金を稼いでいたの?
クラシック音楽に囲まれる家庭環境で育ったイラストレーターの五月女ケイ子さん。「ゆるクラ」は、五月女さんが知りたい音楽に関する素朴な疑問を、ONTOMOナビゲーターの飯尾さんとともに掘り下げていく連載です。五月女さんのイラストとともに、クラシックの知識を深めていきましょう!
はじめまして。五月女ケイ子です。幼き頃から家にクラシックが流れ、ロックは禁止、休日には家族で合唱する、ちょっと特殊な家に育った私(カラオケですぐにハモれる系)。
反発してクラシックから遠ざかった時期もありましたが、近頃思う。やはりクラシックっていいですね。感情が赴くままに聴けば、魂の洗濯をした気分になります。特に最近では、「ショパンは手が小さかった」とか、「ドビュッシーは女好きだった」とか、学校では教えてくれないクラシックの裏話にも胸躍らせています。
有名なあの作曲家も、作曲だけでは食えず、副業をしていた!?
ということで、クラシックをゆるく(時に鋭く)えぐりにえぐり、愉快に楽しみたい想いを満たすべく、色々教えていただくことになったのは飯尾先生。初回から下世話な質問でごめんなさい! クラシックの作曲家の懐事情を単刀直入にお伺いしてみました。
まず、気になるのが、作曲のお代金。頑張って作ってる割にそんなに多くないという衝撃の事実が……! ピアノ教師やアレンジャーなど、副業で生計を立てている人も多かったそうです。
そのほかにも、シューマンは、自ら雑誌を立ち上げて音楽評論を書く仕事をしていたり、ベルリオーズは、パリでなかなか受け入れられなかったため、写譜やコーラスボーイのバイトをしたりなど、有名な作曲家の中にも、副業をしている人がちらほらいます。
きっとあの作曲家も酒場にたむろっていたのでは……!?
しかも、クラシック作曲家は、10代から20代の間に代表作を作曲する人が多いときいて、愕然としました。天使のようにピュアな心じゃないと、あのような清らかな音楽は作れないのでしょうか。短い煌めきのあとに待つ、天才子役並みに険しい人生を思うと胸が痛みます。「好き」を突き詰めたい純粋な思いと裏腹についてまわる「食えない」という現実のギャップに、薄汚れちまう作曲家もいたでしょう。その頃の酒場には、落ちぶれた元天才作曲家たちと、やりたくない副業に明け暮れ、やさぐれた作曲家が葡萄酒を煽っていたに違いありません。モーツァルトは早死にしてしまったけど、もしかしたらその方が幸せだったのかも……。
今まで、光り輝いていたクラシックの作曲家たちが、実は、実家に連れてきたらまず追い返される「売れないミュージシャン」ジャンルに入っていたと知り、切なくなりました。
次回は、それでも稼ぐ人は稼いだ、クラシック作曲家たちの錬金術について教えていただこうと思います。
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