6月の特集「夏至」

北欧流、短い夏の楽しみ方。「夏至祭」の風習と音楽

読みもの
2019.06.08

2019年の夏至は6月22日。夏が短い北欧の人々にとって「夏至」は特別な日で、各地で夏の到来を祝うさまざまな催しが行なわれる。北欧の人々にとっては正月よりも大事だという夏至。どんな風にお祝いするの?
スウェーデン、デンマーク、フィンランドから、夏の音楽もご紹介。今年の夏至は北欧風に過ごしてみませんか。

この記事をシェアする
写真:筆者
野崎洋子 音楽プロデューサー
野崎洋子
野崎洋子 音楽プロデューサー
1966年千葉県生まれ。日本大学文理学部出身。 メーカー勤務を経て96年よりケルト圏や北欧の伝統音楽を紹介する個人事務所THE MUSIC PLANTを設立。 コンサ...

一瞬で過ぎ去ってしまう、北欧の夏

北欧に住む人たちがいかに夏を愛しているかを実感するのは、大陽の光の恩恵を普段からなんとなく享受している日本に住む私たちには難しい。

緯度が高い北欧においては、冬は暗く長く辛いものだ。一方、夏は極端に短い。フィンランドには夏のジョークで「去年の夏は確か木曜日だった(つまりたった1日だったという意味)」という笑えないフレーズがあるが、それほどまでに北欧の夏は短い。気がつけば、あっという間に秋になってしまう。
と言っても最近は地球温暖化のせいか、極端に暑い夏になることも多いようで、こうなると冷房施設が充実していないこの地域にとってはかなりキツい季節になる。

短い夏を最高に楽しもうと、夏至には家族が集まるミッドサマーと呼ばれる行事が行なわれる。北欧で夏至はお正月以上の意味をもち、多くの人がここにあわせて夏休みを取る。北欧を相手に仕事をしていると、6〜8月はほとんど仕事にならないことが多い。この期間は、担当者が4週間とか2ケ月とか、長く不在になるからだ。また夏の間は都会を離れ、サマーハウスと呼ばれる山小屋にこもる人も多い。そこであえて電気や水道のないDIYな生活を送ったりもする。

ノルウェーのフォルデ・フェスティバルの様子。23時くらいでこの明るさ

各地の習慣もさまざま。フィンランドでは夏至祭はユハンヌスと呼ばれ、大きな松明をたき、英国のメイポールにも似た柱の周りを一晩中踊りあかす。スウェーデンではザリガニをすするようにして食べるなど、夏の風物詩にはことかかない。

スウェーデンで夏至に食べるザリガニ © Carolina Romare/imagebank.sweden.se
フィンランドの海辺のマーケットの写真。ベリーは夏の風物詩

筆者もこの時期、まったく大陽が沈まない北極圏に滞在したことは何度かあるが、正直ぐったり疲れてしまった。昼間から夜明けまで飲み明かすような北欧人のハイパーな盛り上がり。それに加え建物も自然光を取り入れるデザインのものが多いせいか、とにかくいっこうに暗くならないのだ。

この「暗くならない」という状態。「暗くなる」というのがどんなに重要かいやおうなしにも見えてくる。日照時間が短い冬は冬でこたえるのだが……贅沢な悩みだろうか。

しかしながら、この地域に生まれ育った北欧の人たちがとにかく夏が大好きだということは間違いなく、音楽も夏をテーマにしたものは非常に多い。その中から今回はいくつかを紹介していこう。

夏の到来を祝う、北欧の音楽たち

ヴェーセン/夏のポルスカ(スウェーデン)

数年前にでた《ブリュード》というアルバムの中からヴェーセンの〈夏のポルスカ〉。ついに夏がやってきた!という喜びに溢れる演奏をどうぞ。

ディナー・イン・ザ・ガーデン/ハウゴー&ホイロップ(デンマーク)

すでに解散してしまったが、ハウゴー&ホイロップというデンマークのフィドル/ギターデュオ。真夏のバーベキューパーティをイメージして書いたという〈ディナー・イン・ザ・ガーデン〉。

フリフォト/夏のワルツ(スウェーデン)

こちらも夏の明るさにあふれる素晴らしい歌唱が印象的な、ベテラン・グループ、フリフォトによる、〈夏のワルツ〉。

カルデミンミット/Fair Hair(フィンランド)

カンテレを弾きながら歌う4人組の女の子グループ。フィンランドのカルデミンミットの最新盤その名もずばり《Midnight Sun(白夜)》より。リード・トラックのプロモーションビデオ。

フィンランドのカウスティネン音楽フェスティバル。次の世代へと伝統は受け継がれる
ノルウェーのフォルデ・フェスティバルの様子
フィンランドのカウスティネン音楽フェスティバル。ペリマンニと呼ばれる農村音楽師の皆さん
写真が撮影されたのは白夜の時期の真夜中。夜とは思えない明るさ
筆者が白夜の時期に滞在したサウナ小屋
ツイートする
シェアする

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ