インタビュー
2023.06.05
「いざ音楽の海へ!~マエストロ飯森範親とPPT 新たなる船出」Vol.3

飯森範親×角野隼斗 今度はジョン・アダムズに挑む、ふたりの音楽から目が離せない!

2023年6月11日のパシフィックフィルハーモニア東京(PPT)定期演奏会は話題沸騰中! 指揮・PPT音楽監督 飯森範親さんとピアニスト 角野隼斗さんの待望の再共演、そしてPPTと日本センチュリー交響楽団の合同演奏によるプログラムです。
今回、現代アメリカを代表する作曲家 ジョン・アダムズの作品「Must the Devil Have All the Good Tunes?」に挑む飯森さんと角野さんは、アダムズからの問いにどんな音楽を生み出すのでしょうか? 大注目の公演を前に、今回のプログラムの聴きどころと気になるおふたりの今後を伺いました。

高坂はる香
高坂はる香 音楽ライター

大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...

写真:蓮見 徹

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今回挑むのは、ジョン・アダムズ「Must the Devil Have All the Good Tunes?」

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——2022年10月のトーマス・アデスの協奏曲日本初演に続き、今度はジョン・アダムズの「Must the Devil Have All the Good Tunes?」と、チャレンジングな作品での共演が続きますね。

飯森 角野さんが意欲を示してくれたことで実現する共演です。彼は経歴も異色ですが、正統的なピアニストとして活動しながらアイデアあふれる音楽を生み、聴き手を楽しませている稀有なピアニストです。アダムズと共通するところがあります。

一方、去年共演したアデスの作品は非常にアカデミックで、数学的な難しさがあるけれど聴き手にはそれを感じさせてはいけない、本当に大変な作品でした(笑)。でもあの演奏はかなり完成度が高かったよね? 角野さんはほぼ暗譜していたみたいだし。

飯森範親(指揮・パシフィックフィルハーモニア東京音楽監督)
桐朋学園大学指揮科卒業。ベルリンとミュンヘンで研鑽を積み、94年から東京交響楽団の専属指揮者、モスクワ放送交響楽団特別客演指揮者、広島交響楽団正指揮者などを歴任。96年の東京交響楽団ヨーロッパツアーでは「今後、イイモリの名が世界で注目されるであろう」と絶賛された。その後、同楽団とは密接な関係を続け、正指揮者、特別客演指揮者を務めた。03年、NHK交響楽団定期演奏会にマーラーの交響曲第1番でデビューを飾る。06年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞。
海外ではフランクフルト放響、ケルン放響、チェコ・フィル、プラハ響などに客演を重ねる。01年よりドイツ・ヴュルテンベルク・フィルの音楽総監督(GMD)に就任し、ベートーヴェンの交響曲全集を録音。日本ツアーも成功に導いた。
現在、パシフィックフィルハーモニア東京音楽監督、日本センチュリー交響楽団首席指揮者、山形交響楽団桂冠指揮者、いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者、東京佼成ウインドオーケストラ首席客演指揮者、中部フィルハーモニー交響楽団首席客演指揮者。2023年4月より群馬交響楽団常任指揮者に就任。
オフィシャル・ホームページ http://iimori-norichika.com/

角野 あんなものが覚えられると思っていなかったんですけれど、本番が近くなったら大体覚えていて、人間の脳ってすごいなと思いました(笑)。

角野隼斗(ピアノ)
1995年生まれ。
2018年、東京大学大学院在学中にピティナピアノコンペティション特級グランプリ受賞。これをきっかけに、本格的に音楽活動を始める。2021年、第18回ショパン国際ピアノコンクールセミファイナリスト。2019年、リヨン国際ピアノコンクール第3位。2017年、ショパン国際コンクールin ASIA大学・一般部門アジア大会にて金賞受賞、その他受賞多数。これまでにハンブルク交響楽団、ブダフォク・ドホナーニ管弦楽団、読売日本交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、群馬交響楽団、国立ブラショフ・フィルハーモニー交響楽団等と共演。ジャン=マルク・ルイサダ、金子勝子、吉田友昭の各氏に師事。
現在は国内外でコンサート活動を行う傍ら、Cateen(かてぃん)”名義で自ら作編曲および演奏した動画をYouTubeにて配信し、チャンネル登録者数は120万人を、総再生回数は1億回をそれぞれ突破。2021年より、CASIO電子楽器アンバサダー、スタインウェイアーティスト。クラシック音楽に確かな位置を築きつつも、ジャンルを越えた音楽すべてに丁寧に軸足を置く、真に新しいタイプのピアニストとして注目を集めている。

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