2020.04.13
おやすみベートーヴェン 第120夜【天才ピアニスト時代】
6つの歌(ゲザング)第2曲「新しい恋、新しい生」——ゲーテの恋のときめきや悩みを歌う
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ゲーテの恋のときめきや悩みを歌う 6つの歌(ゲザング)第2曲「新しい恋、新しい生」
「6つの歌(ゲザング)」のうち、第3曲「蚤の歌」と第4曲「グレーテルの警告」に続き、3曲目の紹介です。
ゲーテはリリー・シェーネマンと婚約しましたが、両家はそりが合わず、残念ながら婚約解消という結果になってしまったそうです。
ゲーテの詩3曲、ハーレムの詩1曲、ライシヒの詩2曲の全6曲からなる「6つの歌」は1809年に作曲され、1810年9月初旬にロンドンのクレメンティ社から英訳版の初版が先行出版され、1ヵ月半遅れでライプツィヒのブライトコップフ&ヘルテル社もドイツ語オリジナル初版を出版。
第2曲「新しい恋、新しい生」は、裕福な銀行家の娘リリー・シェーネマンとゲーテの恋愛から生まれた詩である。「心よ、私の心よ、どうしたというのだ、何がお前をそんなに悩ますのか?」と恋のときめき、恋の悩みが9行、5節の詩で語られる。
曲は、ハ長調、8分の6拍子で、生き生きと、しかし、速すぎずに、と指示されたテンポにより、楽し気な表情で始まる。主和音の分散和音をメロディとする行進曲風な展開。全135小節からなる通作形式で激しい心の揺れが歌われる。
解説:平野昭
作品紹介
6つの歌(ゲザング)第2曲「新しい恋、新しい生」Op.75
作曲年代:1798/99年(ベートーヴェン28/29歳)
出版:1810年9月
おやすみベートーヴェン
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