
プレイリスト
2020.08.25
おやすみベートーヴェン 第254夜【作曲家デビュー・傑作の森】
「恋する男」——苦悩と歓喜が混ざり合う、心の震えを歌う

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
苦悩と歓喜が混ざり合う、心の震えを歌う「恋する男」
1809年作曲のライシッヒ歌曲の1曲。この年に作曲されたライシッヒの詩による歌曲のうち3曲(WoO137~139 )は1810年7月にアルタリア社から出版された『18のドイツ歌曲集』に収められている。
大変に情熱的で、激しい感情表現の見事な作品。「なんという不可思議な日々なのだ、苦悩と歓喜が混ざり合う、体験したことのない心の震えが今、僕の胸中を支配している」いろいろ悩みを告白しながら、最後は「僕の胸は彼女に向けて熱い鼓動を打ち続けている、永遠に。でも、彼女は感じとらない、僕の心がこの目を通して語っていることを」と嘆く。
6節の詩を2節ずつつなげ、3節の有節歌曲として作曲。「激情的な動きをもって」とドイツ語の指示がある。
解説: 平野昭
集中的に作曲されたライシッヒの詩による歌曲。ラストを飾るのは、ベートーヴェンの熱い想いがほとばしる、ストレートなタイトルの作品です。
作品紹介
「恋する男」WoO139
作曲年代:1809年(ベートーヴェン38歳)
出版:1810年 7月
おやすみベートーヴェン

プレイリスト
2020.12.16
弦楽五重奏曲断章ハ長調——最終回! 穏やかな雰囲気に包まれた未完の絶筆作品

プレイリスト
2020.12.15
《大フーガ》(4手)変ロ長調——最高傑作の内容を余すところなく反映させたピアノ連...

プレイリスト
2020.12.14
「弦楽四重奏第16番 ヘ長調」第3、4楽章——重態のベートーヴェンが見舞い客の実...

プレイリスト
2020.12.13
「弦楽四重奏第16番 ヘ長調」第1、2楽章——弟ヨハン邸宅の美しい環境で書かれた...

プレイリスト
2020.12.12
「弦楽四重奏第14番 嬰ハ短調」第5〜7楽章——カールの将来についてベートーヴェ...
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest

インタビュー
2025.12.20
日本センチュリー交響楽団ファゴット奏者・児玉桃歌さん「オーケストラや室内楽でファ...

レポート
2025.12.19
ヤマハの新たなグランドピアノ“Espressivo”「艶やかで気品のある音」

インタビュー
2025.12.19
中川優芽花がアルバム・デビュー!「物語がみえる」ピアノを育む師の教え、ドイツでの...

連載
2025.12.19
「第九」で学ぶ!楽典・ソルフェージュ 第8回 和音1. 和音の度数と種類

レポート
2025.12.18
英国ロイヤル・オペラ・ハウスがヤナーチェク晩年の傑作《マクロプロス事件》上演

レポート
2025.12.17
メトロポリタン歌劇場で《連帯の娘》と《アラベラ》上演

インタビュー
2025.12.16
生身の人間のすごさを体験する、歌劇『ブラームス マゲローネのロマンス by ティ...

レポート
2025.12.16
プロコフィエフ《炎の天使》をゲルギエフが絶演










