2つのポロネーズOp.26――ポロネーズ初出版! 豊かな色彩と説得力でパリの人々を魅了
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
2つのポロネーズOp.26
ショパンの作曲家人生はポロネーズにはじまり、マズルカに終わった。幼いころからショパンはピアノの前に座ってはポロネーズのリズムで遊んでいたこともあって、わずか7歳の作品も今に残っているが、そのいっぽうで、自ら納得して出版にいたるには、25歳の時の作品を待たねばならなかった。
パリに来て5年後の1836年にはじめて作品番号を付けて《2つのポロネーズ》作品26が出版された。《ポロネーズ》嬰ハ短調・作品26の1でショパンはそれまでにないポロネーズの境地に達している。この作品はポロネーズの起源が舞踏にあることを忘れさせる。さまざまな色彩やうつろい、繊細さから力強さ、それらが幻想的な宇宙を作りだしていく。
このようなポロネーズをパリの人々はどのように聴いただろうか。ポロネーズは舞踏音楽として社交界で踊られることが多く、楽曲としてはバッハやベートーヴェンの作品が演奏されていた。しかし、ショパンのポロネーズはマズルカと同様に、ポーランドの音楽であることを感じさせながらも、ショパン独特の説得力にあふれる感動的な作品で、人々はその演奏に魅了された。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)178~180ページより
ショパンの作品を代表するポロネーズ。初めて作曲したのもポロネーズで、ポーランド時代に何曲も作っていましたが、それらを出版することはありませんでした。この連載のテーマとも言える「完璧主義者ショパンの“設計図”」に初めて入れられたポロネーズは、パリ5年目に作曲された2曲ということですね。
2つのポロネーズOp.26
作曲年代:1835(ショパン25歳)
出版:1836年
献呈:Joseph Dessauer
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