2023.02.15
ただいまショパン第61回
幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61――ノアンで過ごす最後の夏
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
1849年、ノアンの夏は暑く、体調が悪いショパンは苛立ち、サンドの娘ソランジュとその恋人オーギュスト・クレサンジェの仲を巡ってサンドとは険悪に……。
それでも2人は創作に打ち込んでいたようで、サンドは自身とショパンをモデルにした(としか思えない)小説『ルクレツィア・フロリアーニ』、ショパンは今回紹介する《幻想ポロネーズ》をはじめとした傑作群を書き上げていきます。
《幻想ポロネーズ》変イ長調・作品61は1846年に作られ、ショパン全作品の中でも最高傑作の一つといわれている。(中略)この作品は表現しがたいさまざまな思いがちりばめられているようで、しかしそれらを超越して彼岸に向かっているかのような、本当に幻想的な音響にあふれている。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)181ページより
マヨルカ島からパリへの帰り路に初めて立ち寄って以来、8回目のノアンの夏。これが結果的にショパンの最後のノアン滞在になるとは、まだ誰も知りません。
作品紹介
幻想ポロネーズ 変イ長調 Op.61
作曲年代:1846(ショパン36歳)
出版:1846年
献呈:A.ヴェイレ夫人
ただいまショパン
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