地球の宝物たちに、絵×詩×音楽で会いに行く。
絶滅が心配な生き物に思いをよせる「ゼツメツキグシュノオト」プロジェクトの“学校”に、プライベートで来ていた絵本作家の本間ちひろさんをつかまえて、メッセージを寄せていただきました。
今なら、まだ間に合うかもしれません! まだ、泣かないで、できることを探しましょう!
1978年、神奈川に生まれる。東京学芸大学大学院修了。2004年、『詩画集いいねこだった』(書肆楽々)で第37回日本児童文学者協会新人賞。作品には絵本『ねこくん こん...
コホー コホー
夜の森に静かに響く、リュウキュウコノハズクの鳴き声から、夏休み特別企画「ゼツメツキグシュノオト学校」が始まった。音の台所・茂木淳子さんの詩を読むやわらかな声に、内藤晃さんのピアノが続く。
四角い音楽の友ホールが、海になったり、森になったり。
サンゴの卵たちはキラキラと月夜の海へ旅立ち、アマミノクロウサギの親子が巣穴で鼻と鼻のキスをするとき、世界はこんなにも、やさしさで満ちあふれるのだ。
そして、不意に訪れる切ない和音や、そっと消えていく最後の音に、私たちは、生き物たちの命を想う。
この「学校」は聴くだけでなく、生徒も、いろいろなことをして生き物たちに寄り添っていく。鳥の声をまねたり、モモンガになって音楽に合わせて飛んだり……。
ラッコの曲では、大きな海で迷子にならないよう、手をつないで眠るラッコにならって、客席の大人も子どももみんなで手をつないだ。一歩外に出れば、経済や政治、便利さを理由に、自然保護は優先順位が下にされる現状もある。また、自然の問題に限らず、意見を言って、反論されることもあるだろう。
でもそんなとき、みんなで手をつなぎ耳を澄ました思い出は、そっと背中を支えてくれる気がする。
作曲の春畑セロリさんと対談をした、総合地球環境学研究所の阿部健一教授は、自然保護には、感性、感覚が大事と、何度もおっしゃっていた。子どもたちの自然体験はもちろん、大人にもそれは大事と。
「シュノーケリングしたらいい。沖縄にも素晴らしいサンゴ礁がある。潜って、命輝く美しい海を感じてほしい。感じてから、どうするか、考えてほしい」
そう、潜って、感じたいのだ。海や山に今すぐ行きたい!
でも、行けないときには、鳥の声をまねたり、詩や音楽から生き物の息遣いに触れることも、大切な楽しい自然体験だ。
どうぞ、大人の皆さま。
心で潜る、このちいさな遊びを自分に許してあげてください。自然を想うやさしい誇りを、手放してしまわないように。
絶滅が心配な生き物たちに思いをよせる、絵と音楽のコラボレーション。
音の台所(茂木淳子)さんが生き物の絵を描き、つぶやきを添え、そのイメージを作曲家の春畑セロリさんが曲にしました。
音楽之友社のWeb連載として、月1曲のペースで生まれた愛らしい曲たち。18の生き物たちに寄せた、18曲の小さなピアノ作品です。
リュウキュウコノハズク、リュウキュウアカショウビン、エゾナキウサギ、ラッコ、アオウミガメ、アマミノクロウサギ、イリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ、ナゴラン、リュウキュウウラボシシジミ、サンゴ礁、ライチョウ、ニホンリス、ホッキョクグマ、クマゲラ、ニホンモモンガ、チーター、カカポ
彼らはみな、生存個体が稀少となり絶滅が危ぶまれている生き物です。
でも、彼らは彼らなりに、いつも通りの日々を生き、一生懸命に、チャーミングに、たくましく毎日を過ごしています。
この作品を聴いて、見て、演奏することで、「ゼツメツキグシュ」たちに少しでも心をよせ、地球環境や生命について思いをはせるきっかけになればと、願っています。
関連する記事
-
ペリカン独特のクチバシを表現!? 学んで工作して音で遊んだワークショップ
-
サルのシッポを学んで工作するワークショップ〜自作のサル人形でピアノ即興劇!
-
日本の森が抱える課題が音楽とのコラボで身近に? 森林セラピスト・小野なぎさ
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly