2021.12.03
編集部日記 Vol.18
ソンドハイムの魅力的なアウトサイダーたち
川上哲朗 ONTOMO編集者
東京生まれの宇都宮育ち。高校卒業後、渡仏。リュエイル=マルメゾン音楽院にてフルートを学ぶ。帰国後はクラシックだけでは無くジャズなど即興も含めた演奏活動や講師活動を行う...
ブロードウェイ・レジェンドの作詞家/作曲家スティーブン・ソンドハイムが先日、11月26日に91歳で亡くなりました。
あれだけの数の名作の作詞・作曲をするパワー、並大抵のものではありません。ONTOMOでも何作か紹介しております。
追悼にと思い、改めてソンドハイム作品を聴いていると、彼のミュージカルの主人公たちの不思議な魅力の虜になってしまいました。
仲間内で唯一独身のビジネスマンが主人公の代表作《カンパニー》。70年代において、自由な恋愛を謳歌する「結婚できない男」は、現代とは違う目で見られていたでしょう。
冷え切った結婚生活を送る、引退したショーガールと夫が、それぞれの人生を語る《フォリーズ》。
復讐に燃え、カミソリで次々と人を手にかける殺人理髪師が主人公の《スウィーニー・トッド》。
主役はヒーローでも、華やかなダンサーでもなく、どこかコンプレックスを抱えた人たち。アウトサイダーが主人公になるのは、今やミュージカルの定番ですが、これは明らかにソンドハイムという先人の功績!
ヴェルディが《椿姫》で娼婦を、ビゼーが《カルメン》で盗賊の仲間のジプシーを主役にしたことでオペラの世界が変わったように、ソンドハイムがミュージカルの世界を変えてくれたのかなと思っています。
ワクワクの劇場体験と同時に、大いに考えさせられるソンドハイム作品は、名作オペラのようにこれからも上演され続けていくことでしょう。
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