ローマ賞とは?19世紀フランスで絶大な権威を誇った作曲家の登竜門の歴史と審査方法
2020.06.27
136年前の今日、ドビュッシーのカンタータ《放蕩息子》初演!
1909年4月9日、ドビュッシーが書いた唯一の無伴奏の混声合唱曲《シャルル・ドルレアンの3つの歌》が初演されました。
この作品を作曲したころのドビュッシーは、オペラ《ペレアスとメリザンド》や管弦楽曲《海》などの大作に次々と取り組み、円熟した時期にありました。
シャルル・ドルレアン(1391〜1465)は、中世フランスの詩人。25年間にわたるイギリスでの幽閉生活を送る中で、故郷を思いながら詩を書いていたそうです。
〔歌詞大意〕
第1曲「あこがれの人」
神は彼女を美しくおつくりになった。人々のほめる美しさはその気高さである、神は彼女を優雅におつくりになった。またとないその美しさをあこがれる。
第2曲「祭りの太鼓のひびく朝」
5月祭りの朝、タンブリン(太鼓)がひびく。ララララ、もう少しのあいだ眠ろう。若いひとたちは連れ立って出て行くけど。わたしはひとり、5月祭りの朝のタンブリンのひびくなか、もう少し眠ろう。
第3曲「冬はきらいだ」
ああ、冬はきらいだ。夏は緑で、のや山をかざり、明るい楽しい、うれしい季節だ。冬はだれもがきらいだ。雪や氷や吹雪などは人々みんながきらいだ。
(村井範子)
『作曲家別名曲解説ライブラリー ドビュッシー』(音楽之友社)206-207ページより
詩のもつ微妙な言葉のニュアンスを大切にして作曲されているというこの作品。47歳の円熟期を迎えたドビュッシーによる、合唱の心洗われる響きをお楽しみください。