今週の音楽家の名言【ピアニスト・小菅優】
2025.06.05
30秒でわかるスメタナ:交響詩《モルダウ》
ショパン:スケルツォ第2番について30秒で丸わかり♪
スケルツォはもともと交響曲やソナタや室内楽曲などで、18世紀に一般的だったメヌエットに代わる中間楽章として、ベートーヴェンが定着させた快活で諧謔的な性格の3拍子の曲種でした。しかしフレデリック・ショパン(1810〜49)はこれを自身のロマン的な感情性を表現する独立したピアノ曲として発展させます。彼は4曲のスケルツォを残しましたが、この第2番もきわめて劇的な情熱に満ちた作品となっています。
この曲が書かれた頃、ショパンはマリア・ヴォジニスカという女性との婚約解消によって心に大きな傷を負っていました。このスケルツォの激しさにもそうした苦悩が反映しているのかもしれません。主部は、忍び寄るような弱音の動機と強音の和音との対比による激しい主題と叙情的な副主題をもとに、ドラマティックな音楽が繰り広げられます。変化に満ちた中間部を挟んで、展開部的部分でさらに発展が行なわれたあと、主部が回帰して、最後は輝かしいコーダで締めくくられます。
作曲年: 1837年
演奏時間: 約10分
編成: ピアノ