N響の首席指揮者にイタリア出身のファビオ・ルイージ〜篠崎史紀との対談公開中
1963年埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部を卒業、音楽之友社で楽譜・書籍・月刊誌「音楽の友」「レコード芸術」の編集を経て独立。オペラ、バレエから現代音楽やクロスオーバ...
ついに、N響が大きく次の時代へと舵を切った——。
NHK交響楽団の次期首席指揮者に、欧米で活躍する名指揮者ファビオ・ルイージ(1959年イタリア・ジェノヴァ生まれ)が、2022年9月から3年間の契約で就任することが発表された。
ルイージとN響の初共演は2001年7月。それ以来たびたび共演を重ねてきた両者だが、第1コンサートマスター篠崎史紀さんの話によると、2017年4月のブラームス「交響曲第4番」が「特に心に残る」演奏で、「リハーサルの的確さ、音楽の大きさを再確認できた」のとこと。
日本の音楽ファンにとってルイージは、1990年代から何度も来日して馴染み深い存在である。メトロポリタン・オペラの首席指揮者として2011年から2017年まで活躍したこともあって、METライブビューイングでも親しまれてきた。
ルイージの最大の特徴は、やはり「オペラハウスで下積みから叩き上げてきた、海千山千の経験を持つ実力派」ということだろう。
指揮者ファビオ・ルイージのTOPトラック
もともとピアニストを目指していたルイージが指揮者を志望するようになったのは、10代の頃からコレペティートル(オペラ歌手の練習ピアニスト、コーチ)の仕事をやっていたことがきっかけである。そこから少しずつ、階段を上るようにして劇場でのキャリアを重ねていき、今の地位へと上り詰めた。コンクールをきっかけにいきなり脚光を浴びるのではなく、それが昔ながらの指揮者への道だったのである。
N響にとって、そういうタイプの指揮者は、かつて一時代を築き、1994年に桂冠名誉指揮者となったドイツ出身のヴォルフガング・サヴァリッシュ(1923-2013)以来のことになる。
就任後の展望についてルイージは、ブルックナー、ブラームス、ベートーヴェン、マーラーなどドイツ・ロマン派のレパートリーはもちろんのこと、近年注目の高まっているフランツ・シュミットの交響曲に意欲を見せているのがうれしい。
近い将来、リヒャルト・シュトラウスあたりのオペラもぜひ振ってもらいたいものである。
2021年11月13日(土)、14日(日) 東京芸術劇場 コンサートホール[池袋Aプログラム]
- ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」序曲
- リスト:ピアノ協奏曲 第2番 イ長調
- フランツ・シュミット:交響曲 第2番 変ホ長調
出演:アレッサンドロ・タヴェルナ(ピアノ)
2021年11月18日(木)、19日(金) 東京芸術劇場 コンサートホール[池袋Cプログラム]
- ブルックナー:交響曲 第4番 変ホ長調 「ロマンチック」
2021年11月24日(水)、25日(木) サントリーホール[Bプログラム]
- パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品6
- チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
出演:フランチェスカ・デゴ(ヴァイオリン)
2022年5月20日(金)、21日(土) 東京芸術劇場 コンサートホール[池袋Cプログラム]
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466
ベートーヴェン:交響曲 第8番 へ長調 作品93
出演:アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)
2022年5月25日(水)、26日(木) サントリーホール[Bプログラム]
- メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」 作品27
- ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
- リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 作品35
出演:小菅 優(ピアノ)
2021年12月22日(水)、23日(木) Bunkamura オーチャードホール
2021年12月25日(土)、26日(日) 東京芸術劇場 コンサートホール
2021年12月27日(月) サントリーホール
ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱つき」
出演:独唱・合唱 未定
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