ショパンコンクールの配信、どう楽しむ? 164名の審査をうまく楽しむコツと醍醐味
音楽コンクールの最高峰、ショパン国際ピアノコンクール、略してショパコン。連載「じっくりショパコン」では、2021年10月に延期となった第18回ショパン国際ピアノコンクールをより楽しむべく、ショパンについて、そしてコンクールについて理解を深めていきます。
第4回は、予備予選から始まるライブ配信の楽しみ方を紹介! コンクールならではの、配信ならではの、出会いの瞬間をぜひ満喫してください。
大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...
ショパコンはライブ配信で楽しめる!
第18回ショパン国際ピアノコンクールの本大会に先立ち、4月に予定されていた予備予選は3ヶ月の延期が発表され、7月に行なわれます。この予備予選はすべて、ポーランド国立ショパン研究所の公式YouTubeチャンネルで配信されます。というわけで、配信の楽しみ方について紹介していきます。
ちなみに、ショパン研究所は、コンクールの歴史を復習することができるこんな動画も公開しています。戦前のコンクールの様子など、貴重な映像も!
11日間にわたって164名が参加する予備予選
164名がエントリーしている予備予選。一人20分程度の演奏とはいえ、この人数ですからその演奏時間は膨大。11日間にわたります。
もともと500を超える応募者の中からビデオ審査を経て選ばれたコンテスタントですから、かなりの腕前ではあります。しかし録音審査の限界はどうしてもあるもの。正直、実力にかなりばらつきがあるでしょう。すべてを聴いていたら、本大会が始まるまえにグッタリしてしまうかも。
そんなあなた、164名の中から興味のあるコンテスタント……31人にのぼる日本人はじめ、好きな国出身のピアニスト、既に演奏活動をしているピアニストなどの出番を中心に、その前後のコンテスタントもあわせてゆったりと耳を傾けるのはいかがでしょう。
予備予選の演奏日程は2021年6月1日までに決定されるということなので、発表されたスケジュールをチェックしてみてください。さすがショパンコンクール、すでに名前の知れたピアニストもたくさんいます。
朝から晩まで開催されるときにはアーカイヴで! 配信の醍醐味を味わう本大会
10月の本大会になると、かなり人数が絞られるとはいえ、ステージ1から3は朝から晩までやっています。日本との8時間という時差もあり、リアルタイムで追うのはむずかしいかもしれません。アーカイヴをうまく利用してみてください。
配信だと、ステージに出る前の緊張した表情やルーティンなど、バックステージの様子もそもまま映し出されたりするので、むしろ現地で聴いていたら見られない場面まで目撃できることになります。また、SNSで同じ演奏を聴いている音楽ファンと感想を共有しながら演奏が聴けるのも、おもしろいところ。
コンクールの忘れられない瞬間に出会う
コンクールの演奏は、真剣に全員聴こうと思うと本当にくたびれます。ただ、そんななかでも、突然に、ものすごい演奏が現れることがある。すると、たとえ夜遅くみんなが疲れ切っている時間帯だったとしても、すべての疲労が吹き飛んで、胸がドキドキしてくるのです。本当に不思議な瞬間です。
そんなすばらしい音楽との出会いを楽しみに、ぜひ予選から時間の許す限り、コンクール鑑賞を楽しんでみてください。
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