アントワンヌ・クルトワのトロンボーンを今村岳志が語る!
東京佼成ウインドオーケストラのトロンボーン奏者であり、全員がアントワンヌ・クルトワの楽器を愛用しているトロンボーン六重奏、クルトワ・ジャポンにも参加している今村さんに、愛器の魅力についてお話いただいた。
●本記事は『Band Journal』2024年3月号に掲載されたものです。
1959年創刊の吹奏楽専門誌。毎月10日発売。吹奏楽の今を追い続けて60年超、学校の吹奏楽部の現場への取材やプロ奏者へのインタビューをはじめ、指導のノウハウ、楽器上達...
2010年に東京藝術大学を卒業。トロンボーンを秋山鴻市、栗田雅勝、吉川武典の各氏に師事。東京佼成ウインドオーケストラトロンボーン奏者、クルトワ・ジャポン メンバー。トワイライト・トロンボーンカルテット、九州トロンボーンアンサンブル「ERNST」代表。トロンボーンアンサンブルをはじめとした編曲も多く行なっている。
楽器が演奏を助けてくれる感覚があります
——今村さんが、トロンボーンを演奏する際に大事だと思っているのはどんなことでしょうか。
今村 常に「どう演奏したいのか」というビジョンを持つことです。自分のなかに演奏のイメージを持って、それと実際に出ている音を比べながら自分の腕を磨いていくとよいと思います。
——では、楽器に求めるものは?
今村 やはり、自分が思い描いたものが素直に出てくれることが一番大事かなと思います。音色も含めて、自分の表現したいことがストレスなくできるということですね。今使っているアントワンヌ・クルトワのAC420BHRは自分にとって非常に吹きやすく、演奏したいことが容易にできる楽器です。東京佼成ウインドオーケストラで吹いているときでも、楽器が演奏を助けてくれる感覚があります。
——使い始めたのはいつ頃からですか。
今村 大学4年生のときに、スターリングシルバーのベッケ・モデル(AC420MBOST)を購入しました。その1年後にハグマンバルブのAC420BHを吹く機会があったのですが、それが衝撃的なほどすばらしかったんです。後で改めて試奏させてもらったらやはりとても吹きやすくて、以来それを使っています。アントワンヌ・クルトワの楽器は音が明るいとか華やかとよく言われますが、それに加えて音が立体的に出てくれるところが魅力だと感じています。あとはミシェル・ベッケのイメージそのままに、あたたかい音が出るし、美しいレガートがかかるところでしょうか。
買いやすい価格でもクオリティが非常に高い
——今村さんがお使いの楽器はいわゆるプロフェッショナルモデルですが、価格帯が下のモデルはどうなのでしょう。
今村 AC280BOというステューデントモデルがありますが、買いやすい価格にも関わらずクオリティが非常に高いです。多くの人にとって吹きやすいですし、それでいてクルトワの持つ魅力も十分に伝わりますので、初めはこういう楽器を購入し、上達してやりたいことがはっきりしてから、自分に合う楽器に買い替えるとよいのではないでしょうか。
——六重奏団・クルトワ・ジャポンはいかがですか。
今村 全員が同じブランドの楽器を使っているので音色が合うのはもちろんですが、それ以前にアントワンヌ・クルトワの楽器を愛している6人なので、吹いたときに自然と方向性が合うんです。3月11日(月)には、クルトワのフリューゲルホルンの佐藤秀徳さんをゲストに迎えたコンサートも予定しています(日本福音ルーテル東京教会、時開演)。たくさんの人に聴いてほしいですね。
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