「七重奏曲 変ホ長調」——6楽章構成の大作にして当時の人気曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
6楽章構成の大作にして当時の人気曲「七重奏曲 変ホ長調」
ベートーヴェン生存中で最も人気のあった室内楽作品としては、弦楽器と管楽器の編成による七重奏曲「変ホ長調」作品20が挙げられるが、1799年に作曲され皇帝フランツ2世皇妃マリア・テレジアに献呈された、演奏時間およそ40分にも及ぶこの大作は、6楽章からなるセレナーデあるいはディヴェルティメント型の作品でもある。大変な人気で、1810年ころまでに10種類以上の編曲版が出版されていた。ギター二重奏から管楽十一重奏版まで実にさまざまである。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)253ページより
セレナーデとディヴェルティメントは、明るい娯楽的な器楽形式のこと。クラリネット、ホルン、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという編成によるこの作品は、とても人気があったようです。「交響曲第1番 ハ長調」が初演されたコンサートでは、この七重奏曲が当時の名手たちによって披露され、好評を博しました。
当時、多くの人を虜にした作品をたっぷりお楽しみください。
「七重奏曲 変ホ長調」Op.20
作曲年代:1799年12月以前(ベートーヴェン29歳以前)
初演:1799年12月20日
出版:1802年6月
クラリネット、ホルン、ファゴット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスによる七重奏曲
皇后マリア・テレジアに献呈
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