「自作主題によるやさしい6つの変奏曲」――別作品のスケッチの片隅に創作の芽生え
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
別作品のスケッチの片隅に創作の芽生え「自作主題によるやさしい6つの変奏曲」
5月7日に、ベートーヴェンがピアノ・ソナタにおいて新たなステージに進む前の集大成としてご紹介したピアノ・ソナタ第11番との関連が深い作品です。別作品として構想されたとはいえ、共通点も多い2作品。ベートーヴェンの頭のなかを覗くような聴き比べも面白いです。
1800年夏に完成する変ロ長調のピアノ・ソナタ(第11番)Op22の第4楽章のスケッチ(作曲の下書き)の中に、この変奏曲の「ト長調」のテーマも書かれている。しかし、この変奏曲をソナタの終楽章として計画していたわけではなく、ソナタ作曲中に別作品の主題を、たまたま記したのではないだろうか。
主題はアンダンテ・クワジ・アレグレット、ト長調、4分の2拍子で、それぞれ反復される8小節×2の、16小節からなる。主題の冒頭、第1小節から第2小節前半までの特徴的な音形は、第11番ソナタのロンド形式による第4楽章で、クプレ主題(繰り返されるメインテーマ)に使われている。
第4変奏がト短調になるミノーレ変奏。最終の第6変奏のあとに、回想的な14小節のコーダが置かれている。
解説:平野昭
「自作主題によるやさしい6つの変奏曲」WoO77
作曲年代:1800年夏(ベートーヴェン30歳)
出版:1800年12月
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