2020.09.08
おやすみベートーヴェン 第268夜【作曲家デビュー・傑作の森】
「交響曲第7番 イ長調 第4楽章」——リズムに新機軸を見出した作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
リズムに新機軸を見出した作品「交響曲第7番 イ長調 第4楽章」
4日連続でご紹介した「交響曲 第7番」。前作の交響曲第5番《運命》、第6番《田園》から3年の空白期間を置いて、どんな変化があったのでしょうか。
《運命》と《田園》までの交響曲では主題動機の展開構成による楽章統一、さらには統一動機による全曲統一を創作理念としてきたが、この2作品でそれを達成した後、ベートーヴェンは全く新たな作曲法を追求し、交響曲第7番と第8番でリズムの扱い方に新機軸を見出したのである。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)215ページより
執拗に同じリズムを繰り返すこの作品は、賛否さまざまな評価がなされたようです。第2楽章を「不滅のアレグレット」と称したワーグナーは、この作品全体を「舞踊の神格化」と呼び絶賛しました。
リズムとエネルギーに満ちた第4楽章をお楽しみください。
作品紹介
「交響曲 第7番 イ長調」Op.92
作曲年代:1811年11月〜12年5月(ベートーヴェン40〜41歳)
出版:1816年11月S.Aシュタイナー社(ウィーン)
平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
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