12のさまざまな民謡歌曲集——曲名や歌詞を知ったうえで編曲!
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
曲名や歌詞を知ったうえで編曲! 12のさまざまな民謡歌曲集
1.ゴッド・セイヴ・ザ・キング(合唱付き)
2.兵士
3.アア、チャーリーは私の恋人(三重唱)
4.ああ、至聖なる方(三重唱)
5.デイー川の粉屋(三重唱)
6.勇者に乾杯(ニ重唱)
7.ロビン・アデアー(三重唱)
8.シャノン川のほとりで
9.ハイランド人の嘆き(合唱付き)
10.サー・ジョニー・コープ
11.吟遊詩人(合唱付き)
12.ゴンドラの歌
第239夜《26のウェールズ歌曲集》で紹介したように、ベートーヴェンは元スコットランド官吏のジョージ・トムスンに民謡編曲を依頼されていました。トムスンは、1790年ころから30年間にわたってイギリス各地の民謡を収集し、その旋律集を出版していました。
ベートーヴェンは民謡旋律をソプラノ用、あるいはテノール用の歌唱声部に配置し、ヴァイオリンとチェロとピアノによる伴奏を作っている。トムスンから送られてくる民謡旋律は、最初のころは曲名や歌詞がついていないことが多かったが、ベートーヴェンはこれに強く抗議し、1813年以降は英語の曲名や歌詞がついた旋律集による編曲依頼となった。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)265ページより
第1曲「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」は、第194夜に紹介した「イギリス国歌《ゴッド・セイヴ・ザ・キング》による7つの変奏曲」として、ピアノ変奏曲にも編曲されています。
また第4曲「ああ、至聖なる方」は、クリスマスの賛美歌「いざ歌え、いざ祝え」としても親しまれています。
12のさまざまな民謡歌曲集WoO157
作曲年代:1814~20年(ベートーヴェン44〜50歳)
出版:1816年、22年、24/25年、39年
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