プレイリスト
2022.11.25
ただいまショパン第38回

バラード第2番 ヘ長調Op.38――シューマン《クライスレリアーナ》献呈のお礼

ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

イラスト:本間ちひろ

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バラード第2番 ヘ長調Op.38

シューマンはショパンへの気持ちを高揚させて、1838年《クライスレリアーナ》の献呈を決めた。シューマンはショパンが17歳のときに作った《ラ・チ・ダレム・ラ・マーノによる変奏曲》に熱狂して以来、1836年に念願かなってライプツィヒで会うことができ、その思い出を込めて《クライスレリアーナ》を贈ることに決めたのだ。そんなシューマンにたいして、ショパンはそれほどの感慨をもつことはない。お礼に何か贈らなければならないといった儀礼的意味合いが強い献呈で、どうしてもこの曲でないと失礼になるのではというような謙虚さは感じられない。

——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)123ページより

ショパンはこのとき、プレイエルにも作品を献呈しようと考えていて、プレイエルが《前奏曲集》とバラード第2番のどちらかを選んで残ったほうをシューマンへと考えていたそうです。思い入れの強さとしては、シューマンの片想いだったのですね。

作品紹介

バラード第2番 ヘ長調Op.38

作曲年代:1839(ショパン29歳)

出版:1840年

献呈:シューマン

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