記者会見でショパンコンクールの課題曲変更点が発表! 小林愛実も登場し思い出を語る
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
シューマンはショパンへの気持ちを高揚させて、1838年《クライスレリアーナ》の献呈を決めた。シューマンはショパンが17歳のときに作った《ラ・チ・ダレム・ラ・マーノによる変奏曲》に熱狂して以来、1836年に念願かなってライプツィヒで会うことができ、その思い出を込めて《クライスレリアーナ》を贈ることに決めたのだ。そんなシューマンにたいして、ショパンはそれほどの感慨をもつことはない。お礼に何か贈らなければならないといった儀礼的意味合いが強い献呈で、どうしてもこの曲でないと失礼になるのではというような謙虚さは感じられない。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)123ページより
ショパンはこのとき、プレイエルにも作品を献呈しようと考えていて、プレイエルが《前奏曲集》とバラード第2番のどちらかを選んで残ったほうをシューマンへと考えていたそうです。思い入れの強さとしては、シューマンの片想いだったのですね。
バラード第2番 ヘ長調Op.38
作曲年代:1839(ショパン29歳)
出版:1840年
献呈:シューマン