記者会見でショパンコンクールの課題曲変更点が発表! 小林愛実も登場し思い出を語る
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
マヨルカ島からノアン滞在を経て、約1年ぶりにパリへと戻ったショパン。子どもたちがいるサンドとは別で住むことにし、社交とレッスンに明け暮れる日々が始まります。
ショパンはその帰りを待ち望んでいた貴族たちに、大歓迎されてほっとした。ロスチャイルド一家などパリの貴族たちは、久しく聴くことができなかったショパンの演奏を堪能し、ド・キュスティーヌ侯爵からは感動のあまり自分の情熱的な思いを語らないうちは眠れないのでペンをとった、と称賛の手紙が送られてきた。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)128ページより
翌年以降、サンドとの破局まで、夏はノアンで作曲を、冬はパリで過ごすことがルーティンとなるので、1840年は例外的な年となりました。短めな「ワルツ変イ長調 Op.42」は、そんな忙しい日々を過ごしていた1840年に生まれた数少ない作品で、この年に書いた作品としては生前唯一のものです。トリルから始まる、華やかで技巧的な作品です。
ワルツ変イ長調 Op.42
作曲年代:1840(ショパン30歳)
出版:1840年
献呈:なし