レポート
2023.07.07

今年も「ミューザの日」で笑顔が花開く~小学生プロデューサーのコンサート

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

ジュニア・プロデューサーたちと弦楽四重奏メンバーで記念撮影!
写真:有田周平

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小学生が企画から広報、運営まで担当

ジュニア・プロデューサーの企画コンサートが今年も7月1日「ミューザの日」に、ミューザ川崎4階の市民交流室で開催された。この日は川崎市の市制記念日であり、ミューザ川崎シンフォニーホールの開館記念日でもある。

小学生が自分たちで企画から広報、運営まで行なうこのコンサート。昨年は、「夏休み一行日記」の朗読と演奏が交互に進む内容で、その発想の斬新さに度肝を抜かれた。

今年のタイトルには「みんなの宝石 音の石」とある。音の石ってどういうこと??

「みんなの中から『音の石』という案が出たときに、宝石が出てくるストーリーにしよう、ということになりました」と企画班のまさくん。そもそも「音の石」という発想がユニークだし、想像がふくらむ素敵な言葉。この言葉を出発点にストーリーを考え、合う曲や宝石を考えていったという。

ゲームの世界のようなコンサート

コンサートは《となりのトトロ》で和やかに幕を開けた。東京交響楽団のメンバーによる弦楽四重奏団で、それぞれの楽器の紹介もあり、ここまでは通常の子ども向けコンサートの雰囲気。

だがここからが、ジュニア・プロデューサーの本領発揮。突如会場が暗くなったかと思うと、渦巻の映像と、ヒュルヒュルという弦楽器の不気味な音が響く。そして弦楽四重奏団がヘルメットとリュック姿で再登場! ここは《レイダース・マーチ》(映画『インディー・ジョーンズ』)の冒険の世界。

ヘルメットとリュックを身に付けた弦楽四重奏団の登場に客席から歓声が!メンバーは東京交響楽団から土屋杏子、竹田詩織(ヴァイオリン)、多井千洋(ヴィオラ)、中西哲人(チェロ)

宝石を集めると元の世界に戻れる、という筋立てで、弦楽四重奏団が1曲演奏するたびに、《宝島》でダイヤモンド、《運命》でサファイア、《パープル・ヘイズ》でアメジスト、《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》でエメラルド……と、宝石を次々ゲットしていく。

そしてラスボスの魔王が登場。戦いの末、魔王が負けて、ムーンストーンをゲット。でもこの宝石にはもっとパワーが必要、みんな助けて! 《きらきら星変奏曲》で子どもたちがつけた振り付けに会場も参加して応援すると……元の世界へ戻れた!

ゲットする宝石の石言葉もストーリーに組み込まれていた

公演後の振り返りの会では、ジュニア・プロデューサーたちにとって、「お客さんが笑ってくれた」「喜んでくれた」ことがいちばん嬉しかった様子。「どんなリアクションをするとお客さんは笑ってくれるだろう」「仲間たちのまったく違う意見をどう集約していけばいいだろう」「この音楽を聴いて、お客さんはどんな場面を想像するだろう」。たくさんの「?」に五感をフル稼働させたであろう子どもたち。最後に「共感力」という輝ける宝石を、手にしたのではないだろうか。

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