ふじき・だいち 藤木大地
2017年4月、オペラの殿堂・ウィーン国立歌劇場に鮮烈にデビュー。
アリベルト・ライマンがウィーン国立歌劇場のために作曲し、2010年に世界初演された『メデア』ヘロルド役(M.ボーダー指揮/M.A.マレッリ演出)での殿堂デビューは、日本人、そして東洋人のカウンターテナーとしても史上初の快挙で、~「大きな発見はカウンターテナーの藤木大地だった。あの猛烈なコロラトゥーラを彼のような最上の形で表現できる歌手は多くはない」(Der Neue Merker)、「藤木大地はそのカウンターテナーで、説得力のある印象を残した」(Oper in Wien)、「藤木大地は芯のあるクリーミーな声のクオリティと、眩いばかりの音のスピンの力で、モダンオペラの化身となった。」(Parterre)、「藤木大地は難解なヘロルド役をわがものとしていた」(Salzburger Nachrichten)~など、現地メディアから絶賛されるとともに、音楽の都・ウィーンの聴衆からも熱狂的に迎えられただけでなく、日本国内でも、おはよう日本(NHK)や国際報道2017(NHK BS1)、新聞各紙でとりあげられるなど、大きなニュースとなる。
2011年、ローマ国際宗教音楽コンクール ファイナリスト。2012年、第31回国際ハンス・ガボア・ベルヴェデーレ声楽コンクールにてオーストリア代表として2年連続で選出され、世界大会でファイナリストとなり、ハンス・ガボア賞を受賞。同年、日本音楽コンクール第1位。権威ある同コンクールの81年の歴史において、初めてカウンターテナーが優勝したことは、センセーショナルな話題となった。
2013年5月、ボローニャ歌劇場の開場250周年記念として上演されたグルック『クレーリアの勝利』マンニオ役(G.S.デ・リシオ指揮/N.ロウェリー演出)に抜擢されてヨーロッパデビュー。続いて6月にも同劇場でバッティステッリ『イタリア式離婚狂想曲』カルメロ役(D.カフカ指揮/D.パウントニー演出)で出演。本場イタリアの名門歌劇場での計12公演の演唱にて、国際的に高い評価を得る。
国内では、これまでにM.ポンマー、L.スラットキン、T.コープマン、S.カンブルラン、R.エガー、A.バッティストーニ、小林研一郎、井上道義、小泉和裕、鈴木雅明、高関健、大植英次、広上淳一、大野和士、上岡敏之、佐渡裕、藤岡幸夫、飯森範親、沼尻竜典、阪哲朗、下野竜也、園田隆一郎、三ツ橋敬子、鈴木優人ら各氏の指揮のもと、NHK響、東京都響、読売日本響、東京フィル、東京響、日本フィル、新日本フィル、東京シティ・フィル、神奈川フィル、名古屋フィル、セントラル愛知響、大阪フィル、日本センチュリー響、関西フィル、京都市響、兵庫芸術文化センター管、九州響、札幌響、仙台フィル、オーケストラ・アンサンブル金沢、群馬響、京都フィル、紀尾井ホール室内管弦楽団、トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア、シアターオーケストラトーキョー、アンサンブル・ノマド、東京ヴィヴァルディ合奏団、新ヴィヴァルディ合奏団、そしてバッハ・コレギウム・ジャパンら主要オーケストラのほとんどと、オペラ『夏の夜の夢』『リア』『ポッペアの戴冠』『リナルド』『リトゥン・オン・スキン』(日本初演)や、「第九」「カルミナ・ブラーナ」「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」「メサイア」「ミサ(バーンスタイン)」「チチェスター詩篇(バーンスタイン)」「レクイエム(モーツァルト)」「レクイエム(フォーレ)」をはじめとしたオーケストラ作品で共演。国内外のマエストロたちから、その唯一無二の柔らかな美声と類稀なる音楽性にて絶大な信頼を得ている。また、作曲家の西村朗、杉山洋一、加藤昌則、酒井健治ら各氏より楽曲提供を受け、世界初演、再演を重ねている。
また、世界的な声楽家たちがこぞって指名するピアノの巨匠マーティン・カッツをはじめ、ギタリストの荘村清志、福田進一、鈴木大介、村治佳織、大萩康司、オーボエ奏者の吉井瑞穂、ルネサンスハープ奏者の西山まりえ、ソプラノ歌手の中村恵理、田中彩子、アーティストのサラ・オレイン、村松崇継ら各氏との共演や、ピアニストの松本和将、佐藤卓史、萩原麻未ら各氏との共演による各地でのソロリサイタルも常に絶賛され、全国からのオファーが絶えない。
メディアでの活躍も目覚ましく、 NHKニューイヤーオペラコンサートに5年連続出演したのをはじめ、Direct Talk (NHK WORLD)、ららら♪クラシック、名曲アルバム、クラシック音楽館(NHK)、題名のない音楽会(テレビ朝日)、読響シンフォニックライブ(日本テレビ)、クラシック倶楽部(NHK BSプレミアム)、おんがく交差点(BS東京)、子供たちに残したい 美しい日本のうた(BS朝日)、きらクラ!、ベストオブクラシック、リサイタル・ノヴァ、ラジオ深夜便(NHK FM)などへの出演、新聞や雑誌への登場で、広く認知度を獲得している。
2017年4月にはウィーン・デビューを記念しファーストアルバム「死んだ男の残したものは」(キングインターナショナル)をリリース。詩人の谷川俊太郎氏より「懐かしいリリシズムの新しい目覚め」と言葉を贈られる。また2018年10月に公開された村上春樹氏原作の映画「ハナレイ・ベイ」の主題歌を担当し、同時にメジャー・デビュー・アルバム「愛のよろこびは」(ワーナーミュージック・ジャパン)をリリースし、同作のライナーノーツは俳優の井上芳雄氏が担当した。
2019年にはアメリカの名匠レナード・スラットキン氏の指揮による大阪フィル「チチェスター詩篇」にて大好評を博し、ピアニストのマーティン・カッツ氏をアメリカより招いた全国4都市のリサイタルツアーを成功裡におえ、サントリーホール サマーフェスティバルで日本初演された大野和士指揮ベンジャミンの話題のオペラ『リトゥン・オン・スキン』に第1の天使/少年役で出演、その絶唱が話題となる。Bunkamura30周年記念として世界初演されたK-BALLET COMPANYによる熊川哲也版 新作『カルミナ・ブラーナ』(アンドレア・バッティストーニ指揮)に出演し、NHK音楽祭では、トン・コープマン指揮モーツァルト「レクイエム」にアルトソロで出演し、世界の巨匠から最大級の賛辞を授かった。また、シルヴァン・カンブルラン氏の指揮による酒井健治氏の名古屋フィルへの新曲「ヴィジョン– ガブリエーレ・ダンヌンツィオに基づいて」世界初演での卓越した歌唱で喝采を浴びるなど、活躍はますますの充実をみせている。
2020年には、自身が東京文化会館からオファーを受け、企画原案・主演を務めた新作歌劇『400歳のカストラート』が上演以前より注目を集め、初演、地方公演ともに大成功を収めたように、プロデューサーとしての仕事ぶりにも定評がある。またエッセイストとしても神戸新聞やWebマガジン「ONTOMO」などで連載をもつほか、教育活動は歌唱指導のみならず、洗足学園音楽大学、横浜国立大学、スター・クラシックス・アカデミア(名古屋)などでアートマネジメントの講義も担当している。
新国立劇場オペラ芸術監督の大野和士氏からは「私たちのヒーロー、日本が誇るカウンターテナー」と評され、2020/2021シーズン開幕公演のブリテン『夏の夜の夢』(飯森範親指揮/L.ハウスマン演出-D.マクヴィカーの原演出に基づく)にオーベロン役で主役を務め、妖精王の風格漂う圧倒的な存在感と、非人間界へ誘う声で聴衆を魅了した。続けて、バッハ・コレギウム・ジャパンとのヘンデル『リナルド』(鈴木優人指揮)にもタイトルロールで登場し、温かみのある演唱が各誌で称賛され、オペラ歌手としての人気を不動のものとする。びわ湖ホール、新国立劇場、水戸芸術館の再開公演の重責を担った2020年の活躍は、朝日新聞紙上にて「藤木大地は劇場と聴衆の『再会』の担い手に」と回顧された。
2021年は、日本のフォークソングに初めて挑戦した東京・春・音楽祭での「にほんの歌」、ソリスト歌手として参加した熊川哲也「カルミナ・ブラーナ」2021 特別収録版、 大野和士の総合プロデュースにより新国立劇場にて世界初演された渋谷慶一郎『スーパーエンジェル』(島田雅彦台本)ではアキラ役で主演。アンドロイド「オルタ3」との共演は画期的なオペラのかたちを世界へ提示した。
また、読売日本響「第九」(フランチェスコ・アンジェリコ指揮)、千葉、岐阜、徳島、山口、大阪、宮崎、茨城など全国各地でのリサイタルや、 レギュラー出演している「子供たちに残したい 美しい日本のうた」(BS朝日)をはじめとするメディアへの定期的な登場など、 クラシック音楽界のフロントランナーとして縦横無尽の活動が期待されている。11月1日には待望のニューアルバム「いのちのうた」(キングインターナショナル)がリリースされる。 バロックからコンテンポラリーまで幅広いレパートリーで活動を展開し、デビューから現在まで絶えず話題の中心に存在する、日本が世界に誇る国際的なアーティストのひとりである。
第19回松方ホール音楽賞受賞。第25回青山音楽賞青山賞受賞。
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。新国立劇場オペラ研修所修了。
ウィーン国立音楽大学大学院(文化経営学)修了。
洗足学園音楽大学客員教授。横浜みなとみらいホール プロデューサー 2021-2023。
宮崎県出身。みやざき大使。
Official Website https://www.daichifujiki.com/
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