イベント
2021.10.22
10月23日(土)に開幕

新国立劇場バレエの新シーズンは新制作のピーター・ライト版『白鳥の湖』から!

今回の主役を務めるダンサーたち。
写真:新国立劇場

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新国立劇場バレエ団、2021/2022シーズンのオープニングは、古典バレエの名作中の名作『白鳥の湖』で幕を開ける。

今回のピーター・ライト版による演出は、英国らしい演劇的要素が盛り込まれており、古典であるプティパ/イワーノフ版と比べて、各キャラクターの人物造形が明確になり、ドラマティックな展開が楽しめる。

ピーター・ライト版は、クラシック・バレエの傑作であり、バレエのアイコニックな作品としても有名な『白鳥の湖』に、シェイクスピア劇のような重厚感が加わった演出。王子と姫の恋、それを邪魔する悪役、そして情景を美しく表現するコール・ド・バレエというクラシック・バレエの基本要素が凝縮され、バレエ団としての真価が問われる作品になっている。

白鳥のオデットと、黒鳥のオディールの2役を1人のダンサーが踊るのも『白鳥の湖』の大きな特徴で、主役ダンサーの性格の違う二役を踊り分けるテクニックと表現力に注目したい。

今回の新演出は、踊りや演技だけでなく、衣装も新たに新調されたものだ。英国のオリジナル版が忠実に再現された衣装となっている。重厚感のある美術・衣裳は、フィリップ・プロウズのデザインによるものだ。

今回の公演用に特注された衣装。

ピーター・ライト版では、プロローグ冒頭が王の葬儀のシーンからスタートする。その後、王子をはじめとするキャラクターたちの置かれた状況や設定が論理的に示され、それぞれの心理描写も緻密に表現されていく。3幕の宮廷の舞踏会、王子の花嫁候補たちの踊りも独特な演出のひとつ。民族舞踊の群舞だけでなく、3人の花嫁候補がバリエーションを踊り、各々が国を代表して宮廷にやってきたというストーリーがしっかりと見える演出となっている。

また、チャイコフスキーの叙情的な音楽は「情景」「4羽の白鳥の踊り」など有名な曲も多く、耳にしたことがある方も多いだろう。

ワレリー・ゲルギエフ指揮『白鳥の湖』(マリインスキー・オーケストラ)

今回の新制作について、舞踊芸術監督の吉田都は以下のようにメッセージを寄せている。

この度、満を持して新制作の『白鳥の湖』を上演できることを嬉しく思います。新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年10月上演予定から延期となりましたが、バレエ団のダンサーたちと関係を築きながら1年間歩んでまいりましたので、より良いものをお見せできると確信しております。

今回のピーター・ライト版の『白鳥の湖』は、英国でも長年上演され愛されている、特別な作品です。ドラマ性が際立つ演出で、バレエ団を演技の面でも引き上げてくれるものと思います。私自身もコール・ド・バレエから主役まで、あらゆる役を経験しましたが、どんな役も一人ひとりが役割を持って存在しているとてもロジカルな演出で、ダンサーたちも演技に自然と入りやすいのではないかと期待しています。

このような状況下ではありますが、だからこそ観に来てくださるお客様には夢心地になるような、上質の舞台をお届けしたいと切に思っております。ぜひ劇場にて、非日常の世界をお楽しみいただけましたら幸いです。

公演情報
新国立劇場バレエ団 『白鳥の湖』<新制作>

スタッフ・キャスト
振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ/ピーター・ライト
演出:ピーター・ライト
共同演出:ガリーナ・サムソワ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
美術・衣裳:フィリップ・プロウズ
照明:ピーター・タイガン

公演日程
2021年10月23日(土)14:00
2021年10月24日(日)14:00
2021年10月26日(火)13:00
2021年10月30日(土)13:00
2021年10月30日(土)18:30
2021年10月31日(日)14:00
2021年11月2日(火)14:00
2021年11月3日(水・祝)14:00

予定上演時間
約2時間50分(休憩含む)
正式な上演時間は開幕直前の表示をご確認ください。

会場
新国立劇場 オペラパレス

他劇場での公演日程
サントミューゼ 大ホール(長野):2021年11月7日(日)14:00
詳しくはこちら

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