
坂本龍一がピアノを弾く姿が間近に!──現実では叶うことのない没入体験
音楽家・坂本龍一が最期の4年間を費やして共に制作したプロジェクト「RYUICHI SAKAMOTO & TIN DRUM KAGAMI+」が、6月27日から大阪で上演される。
この作品は、坂本龍一のピアノ演奏を三次元的に捉え、複合現実(MR)の空間にふたたび立ち上がるというもの。2023年、ニューヨーク〈The Shed〉で世界初演されたあと、ロンドン、マンチェスター、台北、シンガポール、メルボルン、イタリア、香港など世界各地で上演され、反響を呼んでいる。坂本とTodd Eckert率いるTin Drumがプロデュース・ビジュアル制作を手がけた。
観客は、特殊な透過型ヘッドセットを装着し、3D映像技術によって精緻に再現された坂本龍一がグランドピアノに向かう様子を見る。Tin Drumによる幻想的な3Dビジュアルとともに空間に立ち上がる。
会場には、映像や写真、テキストに加え、坂本自身が調香した「香り」も漂う。《KAGAMI》は、坂本龍一の音楽を映し出す、静かな“鏡”のような作品といえる。
現実の中にヴァーチャルな僕がいる。
ヴァーチャルな僕は歳をとらずに、何年、何十年、何百年とピアノを弾き続ける。
その時人類はいるだろうか?
人類の次に地球を征服するイカが聴いてくれるのだろうか?
彼らにとってピアノとは?
音楽とは?
そこに共感は成立するのだろうか?
何十万年の時を跨ぐ共感が。
ああ、だけどそれまで電池がもたないな。坂本龍一

Artist
坂本龍一
1952年東京生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。1978年『千のナイフ』でソロデビュー。同年、YMOの結成に参加。1983年に散開後は『音楽図鑑』、『BEAUTY』、『async』、『12』などを発表、革新的なサウンドを追求し続けた姿勢は世界的評価を得た。映画音楽では『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞作曲賞を、『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞など多数受賞。『LIFE』、『TIME』などの舞台作品や、韓国や中国での大規模インスタレーション展など、アート界への越境も積極的に行なった。環境や平和問題への言及も多く、森林保全団体「more trees」を創設。また「東北ユースオーケストラ」を設立して被災地の子供たちの音楽活動を支援した。2023年3月28日逝去。
Production Team
Tin Drum(ティン・ドラム)
2016年、トッド・エッカートにより設立。ニューヨークを拠点とする制作チーム。複合現実(Mixed Reality)デバイス向けコンテンツの分野で先駆的な作品を発表し、アーティスト、エンジニア、デザイナー、テクノロジストら多様なクリエイターが集うコレクティブとして活動している。独自の立体表現と現実世界を融合させることで、従来のメディアでは実現しえなかった没入的体験を創出。記録されたパフォーマンスと観客との関係性に新たな可能性を切り開いてきた。これまでに世界的なアーティストやクリエイター、パフォーマーとの協働を重ね、近年はイアン・マッケランとともにMR演劇作品『An Ark』を手がけている。
Director
Todd Eckert(トッド・エッカート)
アメリカのディレクター、プロデューサー。14歳で音楽ジャーナリストとして初めて記事が掲載され、17歳で全米誌『OnlyMusic Magazine』の編集者となる。のちにジョイ・ディヴィジョンのヴォーカリスト、イアン・カーティスを描いた長編映画『Control』をプロデュースし、同作はカンヌ国際映画祭で上映された。2012年には複合現実技術企業Magic Leapに参加し、コンテンツ開発ディレクターを務める。2016年にTin Drumを設立。マリーナ・アブラモヴィッチを起用した『The Life』を監督し、同作は2019年、世界初の大規模な複合現実パフォーマンス作品として初演された。近作に、Tin DrumによるMR演劇作品『An Ark』がある。
会期:2026年6月27日~10月12日
会場:VS.(ヴイエス)
大阪府大阪市北区大深町6-86 グラングリーン大阪うめきた公園ノースパークVS.
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