ピアニスト金子三勇士「場所に縛られず音楽を」〜在宅勤務・子どもたちのためにプレイリストを公開

©Ayako Yamamoto

新型コロナウィルスの影響でクラシック音楽界もコンサートやイベントの中止・延期が相次ぎ、難しいシチュエーションが続いている。ライブストリーミングや録画配信、SNS上への更新などさまざまな形で音楽を届ける試みがなされている。そんな中で、アーティストとしては少し変わった方法で音楽を届けようとしているのが、2021年には日本デビュー10周年を迎えるピアニスト金子三勇士（かねこ・みゆじ）さんだ。

金子さんは、2つのプレイリストをSpotifyで公開している。在宅勤務やテレワークで作業が捗るような音楽を集めた「Telework BGM」と、コンサートやアウトリーチでの経験を活かし、留守番や自宅待機の子どもたちが落ち着いて過ごせるように考えたという「Kids at Home」。

選曲は自身のフランツ・リストやバッハの演奏をはじめ、古今の名ピアニストやオーケストラ楽曲を織り混ぜたとても心地よく、楽しいもの。編集部もテレワーク時に利用させていただいたが、殺伐とした自宅での作業中に、心がほどけるようだった。

金子三勇士さんからのメッセージ

「新型コロナウィルスの感染が世界中で拡大していく中、政府は早くからイベントの自粛を要請。コンサートの開催が難しい今、求めている人々にどう音楽を届けるべきか。国内ユーザーも多い定額制音楽配信サービスを通して、時間帯や場所に縛られる事なく自由に音楽を楽しんで欲しい……そう願い、今回のプレイリストを作成しました。在宅勤務をされている方々やお留守番中の子どもたちにフォーカスしていますが、もちろんそれ以外の方にもお聴きいただきたいです！」

ピアニストとしての知識、経験と愛に満ちたプレイリスト。皆さんもぜひ利用してみて欲しい。（編集部K）

金子三勇士　プロフィール

1989年、日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれる。6歳で単身ハンガリーに渡りバルトーク音楽小学校に入学。2001年、11歳でハンガリー国立リスト音楽院大学(特別才能育成コース)に飛び級で入学、2006年に全課程取得とともに帰国。東京音楽大学付属高等学校に編入、同大学を首席で卒業、同大学院修了。2008年、バルトーク国際ピアノコンクール優勝の他、数々の国際コンクールで優勝。第22回出光音楽賞他を受賞。これまでにゾルタン・コチシュ指揮/ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、小林研一郎指揮／読売日本交響楽団、ジョナサン・ノット指揮/東京交響楽団等と共演。国外でも広く演奏活動を行なっている。

2019年5月には新譜CD「リスト・リサイタル」をリリース、また同年10月公開の映画『蜜蜂と遠雷』では、主人公の一人「マサル」のピアノ演奏を担当、9月には映画サウンドトラックCD「金子三勇士plays マサル」もリリースされた。キシュマロシュ名誉市民。スタインウェイ・アーティスト。

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