「ロマンス へ長調」——主題が美しい、小さなヴァイオリン協奏曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
主題が美しい、小さなヴァイオリン協奏曲「ロマンス へ長調」
ボン時代に宮廷楽師としてヴィオラやヴァイオリンと弾くこともあったベートーヴェンは弦楽器のための協奏曲への関心を早くからもっていた。(中略)ヴァイオリン独奏とオーケストラ(あるいはピアノ伴奏編曲版)のための小品「へ長調」(作品50)と「ト長調」(作品40)の《ロマンス》も広く親しまれた作品だ。前者が1798年暮れ、後者が1801年から02年ころ作曲されたのだが、いずれも美しい主題を豊かな和声の響きの中で展開させる穏やかな音楽となっている。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)221ページより
ベートーヴェンが書いた完全な形のヴァイオリン協奏曲は、昨年ご紹介した「ヴァイオリン協奏曲 ハ長調」WoO5と、8年後に作曲する「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」op.61があります。この「ロマンス へ長調」は、短くて聴きやすいヴァイオリン協奏曲の編成で書かれた小品です。
非常に美しい旋律を、「おやすみ」の前に味わってみてはいかがでしょうか。
「ロマンス へ長調」Op.50
作曲年代:1798年11月頃(ベートーヴェン27歳頃)
出版:1805年5月美術工芸社(ウィーン)
独奏ヴァイオリンとオーケストラのための作品
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