ベートーヴェンが劇音楽を付けたゲーテの戯曲『エグモント』〜魅力的な英雄の主張とは
2020.12.16
弦楽五重奏曲断章ハ長調——最終回! 穏やかな雰囲気に包まれた未完の絶筆作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
自由な4節からなるこの詩は、18世紀末頃に学校教師のザミュエル・フリードリヒ・ザウター(1766~1846)が作ったもの。
「聴いて、なんて可愛い鳴き声なの『神を畏れよ! 神を畏れよ!』と鳴く。うずらが私に呼びかける、緑の野原に潜んで、藁に隠れて『神を愛せよ! 神を愛せよ!』と」
このあとも、うずらの鳴き声は「神に感謝せよ!」「神に願いを!」「神を信じよ!」と呼びかける。
1803年の早い時期に作曲されている。うずらの鳴き声を模した鋭い付点リズムによるピアノの前奏は高く、そして低く、鳴き交わされる。
解説 平野昭
週刊「ベートーヴェンと〇〇」vol.2でもご紹介したように、いくつかの作品でベートーヴェンは、鳥のさえずりを作品に使用しています。
この曲で神への信仰を呼びかける、うずらの鳴き声を模した付点のリズムは、ベートーヴェンの多くの作品に現れます。
「うずらの鳴き声」WoO129
作曲年代:1803年(ベートーヴェン33歳)
出版:1804年初頭