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2020.08.26
おやすみベートーヴェン 第255夜【作曲家デビュー・傑作の森】

「バガテル イ短調《エリーゼのために》」——耳馴染みのあるあの作品。エリーゼの正体とは?

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ
編集協力:水上純奈

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耳馴染みのあるあの作品。エリーゼの正体とは?「バガテル イ短調《エリーゼのために》」

エグモント伯爵と献身的で貞淑な女性クレールヒェンの物語のための劇音楽を作曲している最中であったからではないだろうが、このころ《エリーゼのために》という表題で知られる叙情的な「イ短調」のピアノ小品WoO59を作曲している。この表題は自筆譜発見者である19世紀の音楽研究かルートヴィヒ・ノール(1831〜85)が自筆譜に「エリーゼのために4月27日、ベートーヴェンの思い出として Für Elise am 27 April zur Erinnerung an L.v.Bthvn」と記されていたと報告していることに因るのだが、残念ながらその後この自筆譜は消息不明になってしまい、その記述の真偽を確認することはできない。このピアノ小品との関連はともかく、1810年の春にベートーヴェンがテレーゼ・フォン・マルファッティ嬢に夢中になっていたことは、このころに書かれた多くの手紙から窺える。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)114ページより

《エリーゼのために》のメロディは多くの方が耳にしたことがあるのではないでしょうか。作曲と同時期に恋心を抱いていたというテレーゼには、「ピアノ・ソナタ第25番 ト長調《カッコウ》」を贈っており、《エリーゼのために》も彼女への作品なのではないかという説があるそう。しかし、エリーゼが誰を指しているのか、そもそもベートーヴェンがつけた表題なのか、確かなことはわかっていません。

作品紹介

「バガテル イ短調《エリーゼのために》」WoO59

作曲年代:1810年

出版:1867年

女性”エリーゼ”が誰かは未確定

平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
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