プレイリスト
2020.10.23
おやすみベートーヴェン 第313夜【不滅の恋人との別れ】

歌曲「いずれにしても」——人生を達観したような詩をベートーヴェンが見事に表現

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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人生を達観したような詩をベートーヴェンが見事に表現 「いずれにしても」

シューベルトの歌曲《夕映えの中で》D.799や《孤独な人》D.800の詩人としても知られるカール・ラッペ(1773~1843)の詩に、おそらく1816年の暮れ(あるいは17年の年明け)に作曲されたもの。ギムナジウムの教師もしていたラッペの、人生を達観したような小気味よい詩を、ベートーヴェンは見事に表現している。

 

北であろうと南であろうと、おんなじさ。ただ、温かい胸のうちに美とミューズの聖域が栄えるなら、また、神々しい天国が栄えるならば!

 

貧乏であろうと金持ちであろうと、おんなじさ。桃であろうとプラムであろうと。命の木から果実をもぎ取る、君は太い幹から、僕は細い小枝から。味わう楽しみが御馳走の価値を決めるんだ

 

眠であろうと死であろうと! ようこそ双子の兄弟よ! 1日が終わり、君たちは目を閉じる、夢は世間の幸せか不幸せ。短い1日、速く消え去る一生。どうしてそんなに美しく、そんなに急いで飛び去るのだ? 眠であろうと死であろうと

 

ヘ長調、8分の6拍子、かなり生き生きと、決然と。21小節の有節歌曲で全7節が歌われる。

解説: 平野昭

ラッペの「北であろうと南であろうと、おんなじさ」「貧乏であろうと金持ちであろうと、おんなじさ」という詩、潔いですね。解説に出てきたシューベルトの歌曲もあわせて聴いてみましょう。

シューベルト:歌曲《夕映えの中で》D.799、《孤独な人》D.800

作品紹介

「いずれにしても」 WoO148

作曲年代:1816/17年(ベートーヴェン46/47歳)

出版:1817年2月15日

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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

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