インスタライブが視聴者と交流する場に！ 新倉瞳プロデュース『音と服』ドレス

チェロ奏者・新倉瞳さんが（株）フランドルのブランドM Maglie le cassetto（エム マーリエ ル カセット）とコラボレーションする「音と服」。

ステージ上で演奏する音楽家たちにとって着心地がよく、音楽の世界とよく調和する美しいドレスたちが、新倉さんの発案で次々と誕生している。

2020年の秋冬コレクションも、9月末より銀座三越、日本橋髙島屋S.C.、阪急梅田本店でポップアップショップが順次展開されている。オープン期間中は、連日のように銀座三越の店頭に立った新倉さん。

10月2日には、ドレスの魅力を多くの人に知ってもらいたいと、閉店後の店内からインスタライブを行なうとのことで、ショップへと取材に伺った。

「新作のドレスは、『ダンス』をテーマにしています。

ワンショルダーのサテンドレスも、シャーリングのドレスも、華やかな舞踏会や、あるいは土着風のワイルドな踊りなど、“躍動感”を感じさせるようなデザインをイメージしています。

ワンショルダーのブラウンは、落ち着いた室内楽のアンサンブルや弦楽器にも合うと思いますし、シャーリングのドレスは、ヒールの靴もいいですが、裸足でもナチュラルに着こなせるデザインなんです」

音楽会のステージは、ドレスをも含む「総合芸術」と捉えている新倉さん。一方、ドレス作りの現場では、ディレクターやデザイナーたちとの息の合った「アンサンブル」を大切にしながら、生き生きとインスピレーションを膨らませている。

そんなドレス・プロデュースは、自身のアルバム作りへの刺激ともなった。新譜は『Danza』と題し、フォーレの「シシリエンヌ」やバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」などを収め、アルバムジャケットでも新作のシャーリング・ドレスを身に纏っている。

「今回は、音楽を学ぶ若い学生さんたちとのコラボによるドレスも誕生しました。公募で集まってくれたチェロ、ピアノ、フルート、ヴァイオリンを学ぶ音大生さんたちとZoom会議を開き、みなさんと一緒にドレスに対する思いや希望、また音楽家としての展望などについても話し合うことができました。みなさんの希望を取り入れながらプロデュースしたのが、ブルーの総レースのドレスです」

甘すぎず、上品で、そして演奏しやすい機能性も併せ持つ新倉さんのドレス。舞台上でスポットライトを浴びると、ますます発色の美しさが際立ち、着る人それぞれの魅力を引き出してくれる。

「『音と服』のドレスは現在、11型25色とバリエーションも増えてきました。ステージ上で、私が思っていたよりもずっと素敵に着こなしてくださる音楽家の方が多くいらして、そんなとき私は、自分の書いた曲を、自分の想像を超えて演奏家に素晴らしく弾いてもらえた作曲家のような気持ちになるんです」

インスタライブ直前にも関わらず、ドレスに触れながらキラキラした表情で語る新倉さん。ライブでは生演奏も披露するとのことで、何をお弾きになるんですか？ と質問すると「何にしようかな……リクエストをいただけたら、ぜひそれに応えたいですね」と余裕の笑顔を見せてくれた。

インスタライブはおよそ40分。新作ドレスに身を包んだ新倉さんと、ディレクターの井端玲奈さんが、秋冬コレクションのそれぞれの素材やデザインのポイントなどを次々と紹介（台本なし！）。

続々と寄せられる視聴者からのコメントとコミュニケーションを図りながら進められ、最後には新倉さんによる演奏で、ドレスの“赤に合う曲”としてエルガーの「愛の挨拶」、そしてJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲から“あったかい曲”として第1番「サラバンド」が披露された。

ライブの模様はM Maglie le cassetto の公式アカウントのIGTVから、アーカイヴの視聴ができるので、ドレスの美しい映像、新倉さんのお話と演奏などを、ゆっくりと楽しんでみては。

10月2日に行なわれたインスタライブのアーカイブ動画