北欧とケルト、暮らしと音楽 Vol.2

ケルト音楽の大人気バンド「フルック」来日! アイルランドの伝統楽器が最高にかっこいい!

イベント
2018.10.11

ケルト音楽を代表する「ホイッスル」は、日本におけるリコーダーとでも呼ぶべき楽器。誰でも簡単に演奏できるけれど、その音色は奥深い。このホイッスルにフィーチャーしたバンド「フルック」が、10月に来日し全国ツアーを敢行。東京では、ピーター・バラカン氏が監修する音楽フェス「Live Magic! 2018」にも登場します。
ケルト音楽の魅力を余すことなく伝えてくれる「フルック」、一体どんなバンド? ケルト音楽ファンも、ケルト文化に興味のある方も、ご注目下さい!

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ナビゲーター
野崎洋子 音楽プロデューサー
野崎洋子
ナビゲーター
野崎洋子 音楽プロデューサー
1966年千葉県生まれ。日本大学文理学部出身。 メーカー勤務を経て96年よりケルト圏や北欧の伝統音楽を紹介する個人事務所THE MUSIC PLANTを設立。 コンサ...

ケルト音楽を代表する楽器といったら、ホイッスル。安いものだとアイルランドのダブリンの空港やお土産物屋で、「初心者でも簡単にふけますよ」という教則本付きのものが10ユーロほどで売られている。
一般的なキーはD。小学校で縦笛を習った日本人なら、おそらくすぐにこの楽器を吹けるようになるだろう。テンポの速い曲であればウキウキと踊りたくなるような気分になり、スローなメロディを奏でれば哀愁の涙を誘う。しみじみとした音色は、聴く者がアイルランド人でなくてもどこか懐かしさを感じさせる温かいものだ。

しかし、穴が6つでブリキを丸めて作っただけの単純な楽器ながら、本当に上手に演奏するためには、相当な練習を積まないといけない。センスの良い装飾音、そして適格な息つぎなど、シンプルに見えて実は本当に奥の深い楽器なのである。

ケルトの音楽の代表選手、ホイッスル

ケルト音楽のライブってどんな感じ?

今週、このホイッスルのカッコ良さをを打ち出したクールなケルト音楽のバンドが来日し全国ツアーを行なう。
「フルック」は北アイルランドおよびイングランド出身の敏腕ミュージシャンにより結成されたオール・インストゥルメンタル・バンドで、結成当初は3人のフルート奏者というユニークな編成だった。99年、ファースト・アルバムを制作する頃にはホイッスル、フルート、ギター、バウロン(アイルランドの縦型太鼓)という現在の編成になり、以降一度のメンバーチェンジもせずに鉄壁のアンサンブルを築いてきた。2006年、BBC FOLK AWARDSでベスト・グループ賞を受賞。日本にはこれが5度目の来日となる人気のグループだ。

ケルト音楽のライブって、いったいどんな感じ? という方に、フルックのライヴ演奏シーンを1つ紹介しておきたい。3年前の英国バースのフォーク・フェスティバルでの演奏である。

このようにアイルランド音楽のアンサンブルは数曲をつなげて1つの「セット」として続けて演奏することが非常に多い。曲はそれぞれ伝統曲だったり伝統曲にインスパイアされた自作の曲だったりするのだが、これらを複数以上つなげて1つの流れをもったセットにする。どの曲とどの曲を、どんな順番でつなぎあわせるか。そして全体をどんなスピードで演奏するか。それがバンドのセンスが問われる重要ポイントの1つとなる。当然リスナー側には、それを複数の展開がある自然な1つの楽曲として楽しんでもらわないといけない。

曲がチェンジする瞬間は、演奏される音楽を真剣に聴いていれば、この音楽に詳しくないリスナーにでも手にとるように良くわかる。例えば全体で7分あるこの曲も、まずは2:45のところで1曲目から2曲目へと展開する。橋渡しとなるのはギターのソロ演奏なので、これは非常にわかりやすいだろう。次に4:29で2曲目から3曲目へと流れ込むのだが、ここで曲調がぐっと明るくなって、全体のアンサンブルも盛り上がるのが感じられると思う。ここで、一種の高揚感を演出することを狙っているのだ。

(左から)ジョン・ジョー・ケリー(バウロン)、セーラ・アレン(フルート)、エド・ボイド(ギター)、ブライアン・フィネガン(ホイッスル)

「フルック」の魅力的なメンバーたち

それにしてもこのバンドのフロントを行くブライアン・フィネガンのホイッスルは最高にかっこいい。伝統楽器を演奏しているのに古くささをまったく感じさせない上に、この楽器の魅力をあますところなく表現している。彼はまた、そのすぐれた作曲能力で多くのバンドから注目されている存在だ。

また唯一の女性メンバー、セーラ・アレンのフルートにも要注目。彼女の楽器はいわゆるクラシックで使用するコンサート・フルートと同じもので、自由に転げ回るブライアンの演奏を、ベース音やメインのメロディのリピートで適格にサポートしていく。映像でみると、彼女の一本足奏法が印象的だが、本人いわく「この楽器は非常に重い」ので「このほうが楽だから」という理由でこのスタイルが定着したそうだ。そういえばジェスロ・タルのイアン・アンダーソンも似たような恰好でフルートを演奏していた。

ギターもユニークでフランスのピエール・ベンスーザンの鞄持ちをしていたというエド・ボイド。彼はまた人気グループ、ルナサのギタリストであり、このスタイルでは現在No.1と言っていい存在だろう。

またバウロン(アイルランドの縦型太鼓)の奏者であるジョン・ジョー・ケリーも、このバンドの目玉的存在で、マンチェスター出身だがアイルランド人の両親のもとに生まれ現在はダブリン在住の生粋のアイリッシュ・ミュージシャン。彼の楽器バウロンについても機会があれば、また詳細にご紹介していきたいと思う。

公演情報
フルック来日公演2018

10月14日(日) 沖縄 GINOZA FARM LAB
10月16日(火)  福岡 あいれふホール
10月17日(水) 京都 磔磔
10月18日(木) 名古屋 TOKUZO
10月19日(金) 東京 Star Pine’s Cafe – SOLD OUT
10月20日(土) 東京 Live Magic!
10月21日(日) 札幌 コンカリーニョ

インフォメーション :  THE MUSIC PLANT
フルック(英語/公式ページ)http://www.flook.co.uk/

ダブリンにある中央郵便局。共和国独立の象徴的存在
典型的なアイリッシュ・ブレックファースト
日本で陶芸を学んだニコラス・モスはアイルランドの人気陶芸作家
「ホイッスル」についてもっと知りたい! という方へ

レッスンを受けたい方は素晴らしいフルート奏者でもある豊田耕三先生がお薦め。
http://www.kozo-toyota.com/lesson/

ケルトの笛屋さん:気軽に手にできるホイッスル。通販もできます。
https://celtnofue.com/

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