イベント
2022.06.20
今年は「アンサンブル」をテーマに開催

北九州国際音楽祭 北九州市出身と海外の著名演奏家のここでしか聴けない公演の魅力

北九州市制25周年を記念して創設され、市の目指す「暮らしを彩る」まちづくりに寄与してきた北九州国際音楽祭が、今年で35回目を迎える。著名なクラシック音楽演奏家を多く輩出している北九州市だが、そのひとりN響第1コンサートマスターの篠崎史紀率いるマイスター・アールト×ライジングスター オーケストラは、当音楽祭でしか聴くことのできないオーケストラ。他にも海外のビッグネームを含む魅力的な公演が揃う今年の音楽祭の、主な出演者や聴きどころをご紹介します。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

当音楽祭オリジナルのマイスター・アールト×ライジングスター オーケストラ

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質の高いクラシック音楽に親しむ機会を提供し続けて35年

北九州国際音楽祭は、1988年に北九州市制25周年を記念して創設され、市の目指す「暮らしを彩る」まちづくりに寄与してきた。

また、①音楽祭オリジナル企画による創造と発信 ②海外オーケストラを聴ける機会の提供 ③質の高いクラシック音楽の鑑賞機会拡大 ④未来を担う子どもたちに音楽を ⑤広く市民が音楽に親しむ機会を の5つの柱を掲げ、その実現を目指して取り組み、今年で35回目を迎える。

今年のテーマは、「アンサンブルで行こう!」。人と人との距離が求められる昨今、気持ちは近くに感じながら、仲間との絆を大切にしたいとの願いが込められている。

N響第1コンサートマスター篠崎史紀率いる音楽祭オリジナルのオーケストラ

北九州市は、著名なクラシック音楽演奏家を多く輩出している都市として知られている。

そのひとりNHK交響楽団第1コンサートマスターの篠崎史紀率いるマイスター・アールト×ライジングスター オーケストラの公演は、北九州市出身者を要として擁する音楽祭オリジナルのオーケストラ。

指揮者なしでの演奏が特徴で、コンサートマスターに篠崎史紀が、第2ヴァイオリン首席には双紙正哉(北九州市出身/東京都交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者)が布陣し、ともにオーケストラを牽引する。

また、クラリネットには国内外の多くのコンクールで優秀な成績を収め、現在、国立音楽大学講師も務める田中香織、ファゴットには、北九州市ジュニア・オーケストラ出身の東京都交響楽団首席奏者の長 哲也がいる。

 

NHK交響楽団第1コンサートマスターの篠崎史紀©井村重人

毎年秋に開催されているが、今年は8月14日に夏の特別コンサートと題し、昨年の日本音楽コンクールで第1位と一躍大注目となったピアニスト、谷 昂登が篠崎史紀と共演する。

谷もまた北九州市出身で、音楽祭に初めて出演したのは中学1年生の時。夏の恒例コンサートになっている「まるっとEnjoy!響ホールで夏休み」に、師匠の永野栄子と一緒に《動物の謝肉祭》のアンサンブルメンバーとして出演した。

現在18歳となった彼は、多くの共演者や音楽評論家を唸らせるほど熱い視線を集めている。

昨年の日本音楽コンクールで優勝し、一躍大注目となったピアニストの谷 昂登©井村重人

当音楽祭でしか聴けない海外オーケストラとソリストの豪華響宴

毎年注目される海外オーケストラ公演。今年は、サー・サイモン・ラトル指揮、ロンドン交響楽団、ソリストは、チョ・ソンジン(ピアノ)という豪華響宴が実現する。日本ツアーの中でこの響演を聴けるのは、当音楽祭だけだ。

サー・サイモン・ラトル ©Oliver Helbig

チョ・ソンジン ©Christoph KöstlinDG

国指定重要文化財である西日本工業倶楽部を会場とする、例年人気のサロンコンサート。今回は、北九州市および西日本工業倶楽部にも所縁のピアニスト安川加壽子の功績をたどるピアノコンサートが、フランス作品に精通する岡田奏(ピアノ)を迎えて開催される。

 

例年人気のサロンコンサートの会場となる、国指定重要文化財の西日本工業倶楽部

音楽祭の本拠地、北九州市立響ホールと同じ地域に、今年4月オープンした北九州市科学館「スペースLABO」には、ステージを備えた西日本最大級のプラネタリウムがある。

そのプラネタリウムを会場として、世界遺産級!と絶賛されるワーヘリの外囿祥一郎(ユーフォニアム)&次田心平(テューバ)と松本 望(ピアノ)によるコンサートが行なわれる。美しい星空の下で聴く、金管低音楽器の驚くべき深くて温かなハーモニーは必聴だ。

多くの聴衆の声に応えて、響ホールでは17年ぶりのリサイタルが実現する庄司紗矢香(ヴァイオリン)。今回、庄司は弦をガット弦に張り替え、弓もバロック式を使用し、相手方のジャンルカ・カシオーリもフォルテピアノでモーツァルトに挑む。ふたりの新境地となる演奏が、今年の北九州国際音楽祭のフィナーレを飾る。

多くの聴衆の声に応えて、響ホールで17年ぶりのリサイタルが実現する庄司紗矢香 ©Norizumi Kitada
2022北九州国際音楽祭

サー・サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団 チョ・ソンジン(ピアノ)

日時:2022年10月9日(日)15:00開演

会場:北九州ソレイユホール

曲目:ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》から前奏曲と愛の死、ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲op.43、エルガー:交響曲第2番

 

マイスター・アールト×ライジングスターオーケストラ

日時:2022年11月12日(土)15:00開演

会場:北九州市立響ホール

曲目:プロコフィエフ:交響曲第1番《古典交響曲》、ベートーヴェン:交響曲第7番、他

 

庄司紗矢香(ヴァイオリン)、ジャンルカ・カシオーリ(フォルテピアノ)

日時:2022年12月3日(土)13:00開演

会場:北九州市立響ホール

曲目:モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第42番、他

 

夏の特別コンサート 谷昂登(ピアノ)、篠崎史紀(ヴァイオリン)、他

日時:2022年8月14日(日)14:00開演

会場:北九州市立響ホール

北九州国際音楽祭ホームページ

 

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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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