
ブゾーニ・コンクールの予選が11月に日本へ!その歴史とコンクールの意義を問う革新性

ブゾーニ国際ピアノコンクールは、ミケランジェリが創設に深く関わった世界最古の一つに挙げられるコンクール。このコンクールの大きな特徴は、世界各地で公開の予選が行なわれること。それが今年からスケールアップして、この11月には日本でも開催されることに! コンクールが誇る長い歴史と、聴衆も投票できるシステムに象徴される革新性について、2019年に第2位入賞した桑原志織さんのコメントとともに紹介します。

東京音楽大学卒業。レコード会社勤務、ピアノ専門誌「ショパン」編集長を経てフリーに。クラシック音楽をより幅広い人々に聴いてほしいとの考えから、音楽専門誌に限らず、新聞、...
ミケランジェリが創設に深く関わり、錚々たる入賞者を輩出してきたブゾーニ・コンクール
イタリア出身でドイツを中心に世界中で活躍したフェルッチョ・ブゾーニ(1866~1924)は、作曲家、編曲家、ピアニスト、指揮者、教育者という多様な顔を持ち、生涯にオリジナル作品を303曲作曲したとされる。自筆譜の多くが第二次世界大戦で散逸して演奏される機会にあまり恵まれないが、J.S.バッハ「シャコンヌ」の編曲は人気が高い。

イタリア生まれのドイツの作曲家、ピアニスト、理論家、教育者。8歳でピアニストとしてデビューし、10歳で自作を披露した神童であり、ヘルシンキ、モスクワ、ボストンの音楽院でピアノを教授しながらバッハの鍵盤作品を研究し、それはのちにブゾーニ版バッハ譜となった。バッハ作品の変奏を組みこんだ「ヴァイオリン・ソナタ第2番」でみずからの作曲家としての方向を見定めたブゾーニは、07年に著した『新音楽美学構想』で従来の調性や形式によらない新しい音楽を提唱。ピアノのための《エレジー》や「ソナチネ第2番」で実践する。また、同じ様式でバッハの《フーガの技法》の追創作としての《対位法的幻想曲》を完成させた。10年代後半は,彼が「若き古典性」とよんだ主知的で簡潔、透明感のある作風に傾倒した。20年以降は、ベルリン芸術アカデミーの音楽マスター・クラスを受けもち、多くの後進を育てた
そのブゾーニの没後25周年にあたる1949年、当時ボルツァーノ音楽院の院長を務めていたチェーザレ・ノルディオが、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリに宛ててこんな手紙を送った。
「ブゾーニの没後25周年を記念して、この偉大な芸術家の名を偲び、称える意味で大規模な国際コンクールを開催することに関して、どうお考えでしょうか」

これが発端となり、フェルッチョ・ブゾーニ国際ピアノコンクールは1949年9月12日に創設された。クラウディオ・アラウ、ヴィルヘルム・バックハウス、アルフレット・コルトー、ヴァルター・ギーゼキング、ディヌ・リパッティ、アルトゥール・ルービンシュタイン、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリら錚々たる名誉委員会のもと、第1回の第4位には当時18歳のアルフレッド・ブレンデルが選ばれた。
以来、イェルク・デームス、マルタ・アルゲリッチ、ギャリック・オールソン、リチャード・グード、リーリャ・ジルベルシュテイン、アレクサンダー・コブリンをはじめとする優勝&入賞者が名を連ね、2002年からは隔年開催となる。
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