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2023.08.16
2023年10月1日(日)初日がスタート

新国立劇場オペラの新シーズンはプッチーニとラヴェルが描く「母子の愛」で開幕!

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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新国立劇場オペラは、2023年10月1日(日)~10月9日(月・祝)の「新国立劇場 2023/2024 シーズン オペラ開幕公演」で今シーズンをスタートさせます。

シーズン開幕に選ばれた作品は、大野和士芸術監督が「人間の愛の中でもっとも純粋な“母と子の愛”をテーマ」と語る、プッチーニ「三部作」から《修道女アンジェリカ》、ラヴェルのファンタジー・オペラ《子どもと魔法》。1時間ほどの短いオペラ2本だての上演です。

キーワードは「母と子」。プッチーニとラヴェルが書いた2本のオペラ

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プッチーニの《修道女アンジェリカ》は、我が子と引き離されたアンジェリカの孤独と絶望、そして最後に訪れる奇跡が、プッチーニならではの豊饒な音楽で描かれる感動的な作品です。

「《修道女アンジェリカ》は、修道院の中での事件として登場人物が全員女性であるという、「三部作」の中でも特異な存在です。主人公のアンジェリカは未婚の母だったため、子どもと引き離されて修道院へと入ります。子を思い続けて過ごした彼女は7年後に息子の死を知り、悲しみのあまり息を引き取って昇天しますが、天国に迎え入れられる際の音楽はプッチーニのオペラのどの作品よりも、神々しさに満ち溢れています」(大野)

《修道女アンジェリカ》上演時のブックレットのためのスケッチ(リコルディ社所蔵)©︎archivioricordi
1918年メトロポリタン歌劇場の初演時にアンジェリカを演じたジェラルディン・ファーラー(左)と公爵夫人を演じたフローラ・ペリーニ
©︎White Photo Studio

《子どもと魔法》は、“管弦楽の魔術師”ラヴェルが「ファンタジー・リリック」と呼び、子ども目線で、子どもを取り巻く世界を描いた幻想オペラ。ラヴェルならではの華麗な音楽で、子どもの心の冒険が描かれます。

「一方、ラヴェルの『子どもと魔法』は、いたずらをしたり、悪いことばかりしてお母さんを困らせていた子どもが、いじめていた動物たちや壊した食器や時計など、自分が乱暴に扱っていたもの全てに仕返しを受け追い詰められるという「悪夢」の世界に追いやられていきます。そんな悪夢のような状況から男の子を助けてくれる呪文は、最愛の「ママ」という言葉でした」(大野)

上:1926年の初演で「子ども」を演じたソプラノ歌手マリ=テレーズ・ゴーレ
Henri Manuel - Théâtre, avril 1926
左:《子どもと魔法》初版譜の表紙。イラストはアンドレ・エレによる
Bibliothèque Nationale de France, Paris - département Musique

粟國×沼尻のタッグに豪華歌手陣を迎えて上演

演出家・粟國淳と指揮者・沼尻竜典のタッグは、2018/19シーズンのダブルビル企画「フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ」に続く顔合わせです。

アンジェリカ役にはドラマティックな表現を武器にミラノ・スカラ座などで大活躍中の若手キアーラ・イゾットン、子どもには同役で世界の音楽シーンを賑わせているクロエ・ブリオ、お母さんと公爵夫人の二役にはフランスを拠点とする齊藤純子が出演します。

上段左から: 沼尻竜典 キアーラ・イゾットン クロエ・ブリオ
下段左から: 粟國淳 マリアンナ・ピッツォラート 齊藤純子

そして膨大なキャラクターが登場する両作品に、オペラ界旬の歌手たちが華やかに揃います。

《アンジェリカ》奇跡の最終シーンでは、日本が誇る新国立劇場合唱団がどんな響きを聴かせてくれるのでしょうか。ウグイスやカエル、時計に椅子まで歌いだす《子どもと魔法》では、どのような演出になるのかも楽しみなところ。

短めのオペラが2本という構成ですので、オペラ初心者やお子さんも心配なく鑑賞できそうです。新シーズンの特別な公演に出かけてみてはいかがでしょうか。

ジャコモ・プッチーニ『修道女アンジェリカ』全1幕〈イタリア語上演〉/モーリス・ラヴェル『子どもと魔法』全2部〈フランス語上演〉
公演情報
ジャコモ・プッチーニ『修道女アンジェリカ』全1幕〈イタリア語上演〉/モーリス・ラヴェル『子どもと魔法』全2部〈フランス語上演〉

〈日本語及び英語字幕付〉

令和5年度(第78回)文化庁芸術祭オープニング・オペラ 新国立劇場 2023/2024 シーズン オペラ開幕公演

 

日程: 2023年10月1日(日)~10月9日(月・祝)
会場: 新国立劇場 オペラパレス

 

指揮:沼尻竜典
演出:粟國 淳
美術:横田あつみ
衣裳:増田恵美
照明:大島祐夫
振付:伊藤範子
舞台監督:髙橋尚史

 

《修道女アンジェリカ》
アンジェリカ:キアーラ・イゾットン
公爵夫人:齊藤純子
修道院長:塩崎めぐみ
修道女長:郷家暁子
修練女長:小林由佳
ジェノヴィエッファ:中村真紀
オスミーナ:伊藤 晴
ドルチーナ:今野沙知恵
看護係修道女:鈴木涼子
托鉢係修道女1:前川依子
托鉢係修道女2:岩本麻里
修練女:和田しほり
労働修道女1:福留なぎさ
労働修道女2:小酒部晶子

 

《子どもと魔法》
子ども:クロエ・ブリオ
お母さん:齊藤純子
肘掛椅子/木:田中大揮
安楽椅子/羊飼いの娘/ふくろう/こうもり:盛田麻央
柱時計/雄猫:河野鉄平
中国茶碗/とんぼ:十合翔子
火/お姫様/夜鳴き鶯:三宅理恵
羊飼いの少年/牝猫/りす:杉山由紀
ティーポット:濱松孝行
小さな老人/雨蛙:青地英幸

合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

 

公演情報の詳細はこちらから

チケットの予約・問い合わせ:

新国立劇場ボックスオフィス Tel:03-5352-9999 (10:00~18:00)

新国立劇場Webボックスオフィス

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