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2020.07.27
おやすみベートーヴェン 第225夜【作曲家デビュー・傑作の森】

「ピアノ協奏曲 ニ長調」——親友夫婦へ贈る結婚祝い、原曲はヴァイオリン協奏曲

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ
編集協力:水上純奈

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親友夫婦へ贈る結婚祝い、原曲はヴァイオリン協奏曲「ピアノ協奏曲 ニ長調」

本日ご紹介するのは、「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」(第1楽章第2、3楽章)をピアノ協奏曲版に編曲したものです。

ブロイニング家はボンの名門貴族で、1777年1月の宮廷火災で亡くなったエマヌエル・ヨーゼフ・フォン・ブロイニング(1740〜77)は宮廷顧問官長官を務めた人物であった。その妻へレーネ(1750〜1838)との間には4人の子供がいた。

次男シュテファン(1774〜1827)は生涯にわたる無二の親友となる。(中略)ベートーヴェンは1801年6月に医師である友人のヴェーゲラーに宛てて長い手紙を書き、難聴の苦悩と胃腸の不調について告白し、また、ウィーンで受けている治療法などにも言及しているが、その一方で「シュテッフェン(ママ)は今こっちにいて、僕らはほとんど毎日会っている」(BB65)と楽しげに語ってもいる。シュテファンは1808年にユーリエ(1791〜1809)という優れたピアニストと結婚する。ベートーヴェンはこのころに完成したばかりのヴァイオリン協奏曲作品61をシュテファンに、そして同作品のピアノ協奏曲編曲版をシュテファン夫人ユーリエに献呈してふたりの結婚を祝福している。しかし、ユーリエは新婚1年も経たずして他界。シュテファンは12年にコンスタンツェ・ルショヴィッツ(1784〜1865)と再婚し、翌年8月には一子ゲルハルト(1813〜92)をもうけている。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)22、23ページより

ベートーヴェンは親友の結婚祝いとしてヴァイオリン協奏曲を、ピアニストである奥さんにはピアノ協奏曲版を贈りました。作品は明るいニ長調で書かれていますし、親友夫婦は喜んでくれたことでしょう。

皆さんは原曲の「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」作品61と「ピアノ協奏曲 ニ長調」作品61aはどちらがお気に入りでしょうか。ぜひ聴き比べて、2種類のソロ楽器の音色を楽しんでみてください。

作品紹介

「ピアノ協奏曲 ニ長調」Op.61a

作曲年代:1807年(ベートーヴェン36歳)

出版:1808年クレメンティ社(ロンドン)

ヴァイオリン協奏曲Op.61の作曲者自身による編曲

平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

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