「軍楽のための行進曲 ニ長調」——ベートーヴェンが書いた最大規模の吹奏楽曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ベートーヴェンが書いた最大規模の吹奏楽曲「軍楽のための行進曲 ニ長調」
この曲はウィーン市民砲兵隊のフランツ・クサーヴァー・エムベル少佐の依頼によって作曲されたと伝えられる。
1816年6月3日という記入をもつ自筆譜には「大衛兵交代パレード Grossen Wachtparadeのための行進曲」と記されていて、ベートーヴェンが作曲した計4曲の軍楽(吹奏楽)行進曲の中で、ほかの3曲がすべて「帰営ラッパZapfenstreich」とされているのと区別されていて、全138小節という大きな規模をもつ。
コン・ブリオ(生き生きと)、ニ長調、2分の2拍子。4小節の信号ラッパの序奏後にトゥッティによる華やかな行進曲となる。
解説: 平野昭
軍楽のためのエコセーズ以来久しぶりの、そしてベートーヴェンが書いた最後の吹奏楽作品です。
勇ましいトランペットから始まり、華やかなピッコロとトライアングルは後の「第九」第4楽章の行進曲を思わせます。
軍楽のための行進曲 ニ長調 WoO24
作曲年代:1816年6月3日(ベートーヴェン45歳)
出版:1827年4月ピアノ編曲版カッピ&チェルニー社(ウィーン)
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