読みもの
2021.08.19
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」 File.74

小さな足跡と、小さなアイヴズの歌曲

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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「こらーっ だれだーっ お魚くわえて逃げたやつはー?! オマエだな? ここに証拠が残っているんだ。お前の足裏も見せてみろ!」

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……と言いたくなるような(?)、こういう“論より証拠”みたいな足跡、時々見かけますよね。あ〜あ乾いてないコンクリートの上歩いちゃったのね、みたいな。その後、歩いちゃった本人(本猫?)も、けっこう足裏の感触悪いんじゃないかと、ちょっと心配になります。

ところで、「証拠」つながりで(というのも少々強引ですが)、アメリカの作曲家チャールズ・アイヴズ(1874 〜1954)の歌曲に「証拠(Evidence)」というタイトルのものがあります。どんな曲なのかとドキドキしますが、とても伸びやかで麗しい曲なんですね、これが。

歌詞はアイヴズ自身によるもので、「谷が陰っても、丘はまだ明るい 丘が陰っても、山はまだ明るい 山が陰っても、太陽はまだ明るい」といった内容を歌っています(なぜこの内容にEvidenceというタイトルがついているのかは謎)。

アイヴズの歌曲はたくさんあって、どれも小さな絵画のようにチャーミングな世界観を持っています。気分転換などに、暮らしのスキマに、数曲ずつ聴くのも楽しいかもしれません。

チャールズ・アイヴズの歌曲集

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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