
ピアニスト伊藤順一が8年に渡る壮大なプロジェクト「ザ・ショパン・ツィクルス」開始


東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
アールアンフィニ・レーベルで、ピアニスト伊藤順一によるショパンのピアノソロ作品全曲録音プロジェクト「ザ・ショパン・ツィクルス」がスタート、第1集「Maestoso マエストーソ」が9月16日に発売される。全12集の壮大なプロジェクトで、以後9か月おきにリリースされ、8年後の2034年12月に完結する予定。
初期作品や小品、遺作など演奏機会の少ない作品も含む全214曲を、ショパンの創作活動における3つの時代(ポーランド、パリ、ノアン)に分けて、各CDにバランスよく配置する。各集のタイトルは、伊藤自身が主にフランス語で、核となる曲からイメージを膨らませて付けていく。

アールアンフィニ・レーベル代表の武藤俊樹氏は、伊藤の演奏を特徴づける大きな魅力として「旋律がまるで人の声のように自然に息づく歌い方、多彩な音色のパレットから紡ぎ出される奥行きのある豊かな和声、そして聴く人の心の奥深くへ静かに届く繊細な音の佇まい」をあげる。自身が担当した伊藤のデビュー盤『プロフォンド』に収録されたショパンの「ノクターンop.62-1」を聴いて、涙が止まらなくなるほど感動したことが、この全集制作を決意した偽りのない理由だと語った。
伊藤はこの言葉を受けて、ショパンの楽曲の美しさには自分も練習中に涙することがあり、それが伝わったのかもしれないと語る。「かなり早い段階から、遺作のワルツなどショパンを学んできて、小学校に上がると《小犬のワルツ》を弾いたり、『ピアノ・ソナタ第3番』の終楽章は、発表会で弾くことを先生にすすめられて、それから大好きな曲になりました」。
2021年のショパン・コンクールでは集中的にショパンに取り組み、これまでにない発見があったという。「ショパンの作品は美しいの一言につきますが、それは単にきれいというだけではなくて、さまざまな感情の表現の幅であったり、細かさ、繊細さがある。また色彩感があり、悲しみでさえも美しく品があって、そこにほんとうに惚れ込んでいます」。
このプロジェクトを自身のライフワークの一つとして捉え、演奏家としての成長につなげたいという伊藤。CDリリースに合わせてリサイタルも開催予定で、2026年11月25日には銀座・王子ホールで第1集の発売記念コンサートが開催される。
優れたショパン演奏家が作曲家の全貌に踏み込んでいく過程を、8年という年月をかけて聴き手も共に歩む当プロジェクト。“タイパ”という言葉が飛び交う今だからこそ、この壮大な企画の今後を大切に見守っていきたい。
収録曲
バラード 第3番 変イ長調 作品47
マズルカ ト短調 作品67-2 遺作
マズルカ へ短調 作品68-4 遺作
ワルツ 第12番 へ短調 作品70-2
ワルツ 第18番 「ソステヌート」 変ホ長調 WN53 遺作
舟歌 嬰へ長調 作品60
ノクターン 第17番 ロ長調 作品62-1
ノクターン 第18番 ホ長調 作品62-2
ノクターン 第21番 ハ短調 WN62 遺作
即興曲 第3番 変ト長調 作品51
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 第1楽章:アレグロ・マエストーソ
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 第2楽章:スケルツォ モルト・ヴィヴァーチェ
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 第3楽章:ラルゴ
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58 第4楽章:フィナーレ プレスト・マ・ノン・タント
2026年9月16日発売予定 MECO-1092 定価3500円+税
POS : 4562264261055 SACDハイブリッド盤
DSD 11.2MHzハイレゾ・レコーディング
24bit/384KHz ハイレゾ・ポストプロダクション
制作・発売:アールアンフィニ
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