読みもの
2020.08.05
曲名のナゾ Vol.5

ウェーバー《魔弾の射手》〜「魔弾の射手」ってなに?

広瀬大介
広瀬大介 音楽学者・音楽評論家

青山学院大学教授。日本リヒャルト・シュトラウス協会常務理事・事務局長。iPhone、iPad、MacBookについては、新機種が出るたびに買い換えないと手の震えが止ま...

アントニン・マチェック《マックスを役を演じるアロイス・イェレンの肖像》(1826年、プラハ・ナショナル・ギャラリー蔵)

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アーチェリーや弓道界隈の方には「射手」という言葉は馴染みがあるかもしれませんが、それ以外にはあまり使う機会はなさそうです。「魔弾」にいたっては、知らないひとに一度で聞き取ってもらうことは至難の業でしょう。

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カール・マリア・フォン・ウェーバーの歌劇《魔弾の射手》(1821年、ベルリンで初演)、わかりやすくするには「魔法の弾の射(う)ち手」と補えばよいでしょうか。射撃の名手といえど、スランプに陥ることはままあるもの。そんなときに、悪魔に誘われて、的にかならず中(あた)る弾を7発あげよう(ただし7発目は悪魔の望むところに中る)という取り引きを持ちかけられます。

普段の腕前だったらば見向きもしないでしょうが、心身共に弱っているときは、そのような「悪魔のささやき」にはよろめいてしまうかも。ファウストとメフィストの契約にも似た伝承をそのままタイトルにしてしまった本作。7発目がいったいどこに中ってしまうのかは、オペラを観てのお楽しみ。

広瀬大介
広瀬大介 音楽学者・音楽評論家

青山学院大学教授。日本リヒャルト・シュトラウス協会常務理事・事務局長。iPhone、iPad、MacBookについては、新機種が出るたびに買い換えないと手の震えが止ま...

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