インタビュー
2026.09.30

新倉瞳に50の質問!〈後編〉オフの日の過ごし方は? 意外だと言われる一面は?

デビュー20周年を迎えるチェリストの新倉瞳さん。音楽人生と「今」が見えてくる50の質問前を前後編でお届けします! 後編では、新倉さんの人となりに迫るべく、好きな食べ物から、オフの日の過ごし方、ストレス解消法まで質問しました。意外な一面も見えてくるかも……!?

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

ゲスト:新倉瞳(チェリスト)
MC:ONTOMO編集部

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好きな食べ物はラーメン!?

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26. 朝型ですか? 夜型ですか?

新倉 夜型です。その日の前後の予定にもよりますが、時間が許すなら、ダラダラと夜を過ごしていたいタイプです。「低血圧」というのを言い訳にしているんですけど(笑)、本当に朝は弱いです。

基本的には時差ボケがあっても関係なく夜型ですね。ヨーロッパに行くと、最初はちょっと早起きになるんですよ。ちゃんと眠くなって。でも、だんだん慣れていくと、また夜が長くなっていきます。

新倉瞳(にいくら・ひとみ)
桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業し、皇居桃華楽堂新人演奏会に出演して御前演奏を行う。その後スイスに渡り、バーゼル音楽院ソリストコース・教職課程の両修士課程を最高点で修了。これまでに毛利伯郎、堤剛、トーマス・デメンガ、マーティン・ツェラー(バロック・チェロ)の各氏に師事。国内外で数多くの賞を受賞し、2017年に第18回ホテルオークラ音楽賞、2020年度に第19回齋藤秀雄メモリアル基金賞チェロ部門を受賞。桐朋学園大学在学中にEMI Music Japanより『鳥の歌』でCDデビューし、同レーベルから3枚、アールアンフィニからは『11月の夜想曲~委嘱作品集』を含む4枚のソロアルバムをリリース。ほかにも多数のアルバムを発表している。
かつてカメラータ・チューリッヒのソロ首席チェリストとして活躍し、スイスを拠点にヨーロッパや中央アジア、日本でもソリストや室内楽奏者として幅広く活動する。近年はクレズマー音楽や民族音楽にも造詣を深め、音楽祭に招かれワークショップやレクチャーコンサートも行う。カザフスタンの民俗楽器ドンブラも演奏し、2025年にはカザフスタン国営放送で日本人として異例の紹介を受けた。
使用楽器は宗次コレクションより貸与のマッテオ・ゴフリラー(1710年製)。2026年にデビュー20周年を迎えた。

27. 犬派ですか? 猫派ですか?

新倉 今、我が家には猫がいるので、猫派です。でも、私、柴犬とかも大好きなんですよね。だから答えづらい(笑)。かわいいんですよね。

新倉さんの愛猫・紬ちゃん

28.  好きな食べ物は何ですか?

新倉 イケメン好きなんです(笑)。演奏活動でいろいろな土地に伺うと、その土地その土地のイケメン(イケてる麺)探しを常にしております。

海外に長くいるときに一番恋しくなるのはラーメンですね。スイスにもラーメン屋さんは多いですし、最近は海外でも増えてきていますけど、やっぱり日本のラーメンは違います。一番好きなのは豚骨ラーメン。コテコテのものが好きです。

29.  苦手な食べ物はありますか?

新倉 好き嫌いはないです。パクチーが苦手だったけど、あるとき、レモンとチーズがたっぷりのったパクチーサラダを食べたら、ものすごくおいしくて。それ以来、全然大丈夫になっちゃいました。

疲れていても愛猫が寄り添ってくれると癒される

30.  最近ハマっていることは何ですか?

新倉 最近ハマっているのは、日本のお祭りです。おととし初めて青森ねぶた祭りに行ったとき、お囃子の音を聞いて、改めて日本のお祭り文化のすばらしさを感じたんです。去年はねぶた祭りに加えて、宮城の七夕祭りにも行きました。

東北では、山形の花笠まつりや盛岡さんさ踊り、福島のわらじまつりにも行ってみたいです。徳島の阿波踊りにも興味がありますし、旅先を選ぶときにも、お祭りがきっかけになることが増えました。夏の終わりには、各地で開催されるお祭りの情報をチェックするのも楽しみです。

31.  最近、一番笑ったことは何ですか?

新倉 前編で12月3日に上演する「ベートーヴェンの小径」の舞台について、音楽と語りを交えた企画だとお話をしたら、休憩時間にMCの三井さんが「ベルリオーズみたいですね」とおっしゃって(笑)。「私、ベルリオーズだったんだ」みたいな感じで、爆笑しました。一番フレッシュな大爆笑です(笑)。

ベルリオーズは、私もなかなか演奏する機会が少ないので、ちょっと興味が出ました。

32.  一番の癒やしは何ですか?

新倉 やっぱり我が家の紬ですね。猫さまが尊いです。

この間も疲れて帰ったら、玄関に迎えに出てきてくれて。音でわかるみたいで、トントントントンって階段を下りてくるんです。鈴がついているので、リンリンリンリンと音がして。

ぼーっとしていても、私の前に来て、パサッと倒れて甘えてきてくれる。もう、一番の癒やしです。

紬ちゃんと戯れる新倉さん

寝つきがいいし午後まで寝ていることもできる!

33.  ストレス発散法を教えてください。

新倉 私、基本的に「おやすみ3秒」人間なんですよね。ストレスを感じているときって、体も疲れていることが多いですよね。いろんな人に気を使ったり、「何か考えなきゃいけない」と思ったりすると疲れると思うんですけど、寝ないともたないので(笑)、おいしいものを食べて、ぐっと寝る。

そうすると、次の日にまた頑張れる。ストレスに立ち向かえるんです。

34.  オフの日はどのように過ごしていますか?

新倉 放っておけば午後まで寝られる人なので、オフの日はよく寝ています(笑)。睡眠の質を上げるために、アロマスプレーを枕元にシュッとすることもあります。枕元でふわっと香るのは好きです。

35.  今、一番行ってみたい場所はどこですか?

新倉 屋久島に行ってみたいです。海外にも、ブルガリアなど行きたいところはたくさんあるんですけど、まずは屋久島。国内では、音楽が伴って旅することがどうしても多いので、楽器なしで旅することへの憧れがあります。

36.  お気に入りのアイテムや、いつも持ち歩いているものはありますか?

新倉 あまり外でお化粧直しをしないんですけど、唇が乾燥すると嫌なので、リップクリームは常に持っています。

最近気に入っているのは、KATEの「明後日の水たまり」という名前がついたリップクリームです。保湿力が高くて、発色も自然にほんのり赤くなるところが気に入っています。

ベートーヴェンとコーヒーを飲みながら当時のチェリストの話を聞いてみたい

37.  ご自身を動物にたとえるとしたら、何だと思いますか?

新倉 これは、人に言われてから、すごくそうだなと思っているんですが、アザラシ!

笑ったときの顔も似ているし、寝ているときの姿というか、ニコニコしてパタパタしている感じが、わりと自分にリンクするなと。

昔、南沢奈央ちゃんが私のコンサートに来てくださったときに、白寿ホールのバックステージで一緒に撮った写真があるんですけど、それがアザラシの写真と完全一致していて。水槽の中からアザラシがふっと笑っている写真と、私がふっと笑っている写真が同じ顔をしていて、「ああ、私はアザラシに似ているんだな」と(笑)。

アザラシに似ていると評判のショット。12月3日に開催される「ベートーヴェンの小径」でも共演する南沢奈央さんと

38.  家族や親しい友人からは、何と呼ばれていますか?

新倉 「ひーちゃん」とか「ひいたん」とか。小学校の時代は「にいくらくら」と呼ばれていたこともあります。あとは「トミー」。アメリカに住んでいた頃、アメリカの方には「Hitomi」という名前がうまく発音されなくて、「トミー」になっちゃったみたいで。当時仲がよかったマイコちゃんも「マイケル」になって、「マイケル・アンド・トミー」だったんですよね(笑)。

39.  意外だと言われる一面は?

新倉 ラーメンが好きとか、食べることが好きと言うと、意外と言われますね。クラシックの奏者って、どうしてもお上品な感じに見えるらしくて、そういった意味で「ラーメン」というワードが出てくると、意外みたいですね。

食べることが好きですし、食べるのもけっこう速くて。リハーサルの合間など時間に迫られたときに食べると、誰よりも遅く食べ始めて、誰よりも早く食べ終わっています。

40.  一緒にコーヒーを飲んでみたい歴史上の人物はいますか?

新倉 いろいろな人と飲んでみたいんですけれども、今はやっぱりベートーヴェンです。

コーヒーは豆の数までこだわって淹れていたそうなので、きっとあまりきれいではなかったであろうベートーヴェンの書斎を訪ねて、火を入れるところから観察して、本当に豆を数えるのか見てみたいです(笑)。

それから、当時交流のあった素晴らしいチェリストの方々からインスピレーションを受けて曲を書いていたと思うので、その話も聞きたい。チェロ・ソナタを人生の長い期間にわたって書いているから、「どういう思いで書いたんですか?」ってインタビューしたいです。

民俗音楽に血が騒ぐ!

41.  超能力を一つ持てるとしたら、どんな力がほしいですか?

新倉 人の争いやいがみ合いって、たぶん誤解から生まれることが多いと思うんです。本当に悪い人っていなくて、生きていく過程でトゲトゲした気持ちが生まれてしまうんじゃないかなって。だから、そういう気持ちをピッと消せる超能力があったらいいなと思います。誰かが「今、トゲトゲしちゃってるんじゃないかな」と思ったら、ピッてやりたい(笑)。

でも、そういう思いから生まれる音楽もあるので、消せないものだとも思うんです。

あとは、単純にチェロがうまくなる超能力もほしいです(笑)。

42.  好きな映画を一つ挙げるとしたら?

新倉 ジブリ作品は大好きです。一つ挙げるなら、『風の谷のナウシカ』かな。音楽もいいし、やっぱり自然や、人のいろいろな心が入っていて。あと、テトっていう肩に乗っているかわいいキャラクターも大好きです。ほかには『魔女の宅急便』も好きです。

43.  これまでに影響を受けた本はありますか?

新倉 『シーラという子』(トリイ・ヘイデン著)という本です。幼少期に虐待を受ける女の子の話で、私は幸いそういうことがなく育ってきたので、「ああ、こういう人もいるんだ」ということに、すごく衝撃を受けました。本を読むことで、自分の知らない人生を知ることができたり、まったく違う世界に入れたりするんだ、と感じられた一冊です。読書が好きになったきっかけの本でもあります。

44.  普段、どんな音楽を聴きますか?

新倉 そのとき、たまたま出会った音楽を聴くことが多いんですが、突き詰めると、自分の血が騒ぐのは、やっぱり民俗音楽だと思います。クラシック音楽でも、民俗音楽に影響を受けているものに、ときめくことが多いかなと。

最近よく聴いていたのは、クリムゾンの「Moonchild」。ジャンルとしてはクラシックとはかなり離れていると思うんですけど、ちょっと民謡のような部分のあとに、即興的な部分が10分くらい続くような曲で、すごく気に入っています。

ベートーヴェンのイメージをアロマスプレーに

45.  デビュー20周年を記念して、「天然回帰」とのコラボレーションによるアロマスプレーを発売されますね。なぜアロマスプレーだったのでしょうか?

新倉 もともと香りに対して特別なものを感じていました。香りで思い出す記憶ってあるじゃないですか。

今回、マネージャーさんのつながりで、ソーシャルフレグランスブランドの天然回帰さんとコラボレーションすることになって。以前、香りを使わせていただいたときに、夜眠るときに枕元にシュッとしたり、朝出かけるときにフレッシュな香りを使ったりすると気分がいいと教えていただきました。自分にとって特別なときに、香りでリフレッシュできるのって素敵だなと思って。そこから、私の中では「朝と夜」がキーワードになりました。

46.  今回のアロマスプレーは、どのような香りをテーマにされたのでしょうか?

新倉 今回はベートーヴェンの楽曲に合わせて、2つの香りを作りました。朝用は「田園」、夜用は「月光」をテーマにしています。

ベートーヴェンの楽曲を思い出してもらえるようなものを、12月の公演を聴きに来てくださった方に持ち帰っていただきたいと思ったんです。自分の癒やしになっているものと音楽を関連づけていただけたら嬉しいですね。

実際の香りは、天然回帰さんがベートーヴェンの背景などもすごく勉強してくださったうえで、交響曲第6番《田園》とピアノ・ソナタ第14番《月光》を聴いたときのイメージや気分に合うように何パターンか調香してくださって、その中から選びました。香りを嗅いでみて、「あ、これが月光だ」みたいな(笑)。そうやって、新倉瞳のベートーヴェンのイメージと香りがリンクしながら出来上がっていったんだと思います。

香りを選ぶ新倉さん
新倉さんプロデュースのアロマスプレーは、12月3日にサントリーホールブルーローズで開催される「ベートーヴェンの小径」で初めて販売されます!

47.  おすすめの使い方は?

新倉 朝は、出かけるときにシュッとかけて、ふっと爽やかな気持ちになって、ドアを開ける。そんなタイミングで使っていただくのがおすすめです。夜は、眠る前に枕元にシュッとして、「ああ、今日もいい一日だったな」と、ちょっとしっとり受け止める感じで。あとは、リラックスしたいときには、いつでも自由に楽しんでいただけたらと思います。

聴いてくれる人と一緒に変化を恐れずに楽しんでいきたい

48.  今、一番やってみたいことは何ですか?

新倉 そのときどきで「今、一番やってみたいこと」を叶えている感じなんです。毎年1回リサイタルをしているので、次のテーマについてもすでに資料を集め始めています。

やってみたいことは常に増えていくんですが、最近は日本の文化に改めて興味が湧いていて、着物に対する知識を増やしたいなと思っています。ひととおりきちんと着られるセットは持っているのですが、まだ知識が深くないので、着物のことをもっと知って、コレクションも増やしたいです。

49.  20周年を迎えた今だからこそ、これから挑戦してみたい音楽はありますか?

新倉 ちゃんと取り組んでみたいのは、ジャズです。

これまでもジャズのような音楽を演奏したり、ジャズのすごいプレイヤーの方々に助けていただいて演奏したことはあるのですが、ちゃんと和音の勉強などもしないと、私の中では「ジャズをやっている」とは言えないかなと思っています。これからそういった勉強をしていきたいです。

50.  これから新倉瞳さんの音楽を聴く方に、伝えたいことを一言お願いします。

新倉 私は興味の対象がどんどん移り変わっていくんですが、結局、それって点と点が線につながっていく、一つの過程だと思っています。そこに一緒に興味を持ってくださって、今の私を楽しみにしてくださっている方がいることは、とても光栄です。そういった変化を、私と一緒に楽しんでくだされば嬉しいです。

でも、その方々にもそれぞれの人生があるから、私の音楽を聴かないタイミングも出てくると思うんですよ。それでもいいと思っています。お互いに変化を恐れずに、一緒に楽しんでいけたら幸せだなと思います。

ポッドキャストの視聴はこちら

新倉瞳さんの出演情報
新倉瞳 × 南沢奈央 ベートーヴェンの小径

日時: 2026年12月3日(木)19:00開演

会場: サントリーホール ブルーローズ

曲目: 語りとともに綴るベートーヴェンの世界
ベートーヴェン/チェロ・ソナタ全曲

構成・脚本・演出: 新倉 瞳

出演: 新倉瞳(チェロ)、南沢奈央(語り)、横山瑠佳(ピアノ)

スペシャルゲスト: 大萩 康司(ギター)、佐藤 芳明(アコーディオン)、大渕 愛子(フィドル)、渡辺 庸介(パーカッション)
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