レポート
2023.06.11

第24回ホテルオークラ音楽賞に辻彩奈と上野通明。授賞式と受賞記念演奏会が開催

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

左から選考委員長の成瀬正治氏、受賞者の辻 彩奈氏(ヴァイオリン)、上野通明氏(チェロ)

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第24回ホテルオークラ音楽賞の受賞者が辻 彩奈(ヴァイオリン)、上野通明(チェロ)の両氏に決定し、5月25日に多数の応募者から抽選で選ばれた観客を前に、授賞式と受賞記念演奏会が開催された。

同賞は、株式会社ホテルオークラ東京が創業35周年を機に、その年にめざましい活躍を遂げ、さらに将来が嘱望される若手の音楽支援・育成のための奨励制度として創設したもの。

選考委員長の成瀬正治氏(株式会社ホテルオークラ東京 代表取締役会長)は授賞式で、「ヴァイオリンとチェロの受賞者の組み合わせは今回が初めて。審査員の満場一致で選考が決まった。 辻 彩奈さんは10代から卓越した演奏で数多くのオーケストラと共演し、コロナ禍では来日が不可能となった外国の名手たちの代役を次々と務めて、表現の幅を大きく広げてきたことなどが評価された。上野通明さんは若いころから才能を開花させ、若手チェロ奏者の中でいまもっとも注目されている一人。これでエール弦楽四重奏団(山根一仁、毛利文香、田原綾子、上野通明)の4名全員がホテルオークラ音楽賞を受賞したことになる。この受賞をきっかけに、ますますの活躍を期待している」と述べていた。

受賞者スピーチで辻氏は「3歳からヴァイオリンをはじめ、いつもまわりから褒められて毎年の発表会が楽しみだった。でも小5のとき全日本学生音楽コンクールで入賞できず、初めて挫折を味わった。そのときが音楽の道に進むきっかけの1つになったと思う。これからも一歩ずつ精進していきたい」、上野氏は「17歳でホテルオークラ東京のロビーコンサートに、そしてホテルが建て替えに入る直前のフィナーレコンサートにも出演させていただいた。このホテルのように、人々のためになれるような演奏家を目指していきたい」と語り、辻氏は「ずっと憧れていた賞」の受賞までに支えてくれた方々への感謝の言葉を述べながら涙ぐむ瞬間も。

受賞記念演奏会では、辻氏がイザイ《子供の夢》Op.14、ショーソン《詩曲》Op.25を、上野氏がベートーヴェン「チェロ・ソナタ第4番」、ダヴィドフ「4つの小品」Op.20より第2番《泉のほとりで》を、最後に2人でハルヴォルセン「パッサカリア ト短調」を演奏。それぞれピアノの萩原麻未、北村朋幹との音楽的対話も素晴らしく、盛んな拍手を浴びていた。

最後に2人でハルヴォルセン「パッサカリア ト短調」を演奏(5月25日・オークラ プレステージタワー 1階「平安の間」)
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