読みもの
2021.07.01
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」 File.67

一皮むけたような音の鮮やかさ! ラックスマン製デジタルアンプ・キットLXA-OT4試聴記

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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前々回のフォトエッセイで、双子の卵ちゃんみたいなスピーカー、イクリプス TD307MK3のサウンドに酔いしれつつ夜がしっぽり更けていく……というお話を書いたところですが、今日はそんな卵ちゃんたちが生き生き喜んでしまうような、アンプのお話と写真。

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やっぱり、シンプルっていいですよねぇ。ONTOMO Shopのラックスマン製デジタルアンプ・キット LXA-OT4です。

オーディオメーカーのラックスマンと「Stereo」誌とのコラボでムックの付録にもなっているこちらのシリーズ、これまでに真空管が搭載された「ハーモナイザー」と「フォノイコライザー」のキットを手作りしまして愛用しています。

今回は「デジタルアンプ」ということなんですが、完成した試聴機をお借りすることができました。ONTOMO編集部からは、「もし気に入らなかったら、無理に記事にしなくて大丈夫です」という言葉が添えられてきました(笑)。これは、控えめなアプローチなのか、はたまた逆に自信作なのか……?

iPad Proでストリーミング再生したハイレゾ音源を、ラックスマン製デジタルアンプ・キット LXA-OT4に入力、手に入れたばかりの卵ちゃんこと、イクリプス TD307MK3のスピーカーで鳴らしました。

なんて合うのかしら……。

見た目を裏切らず、音の相性バッチリでした。「こんなに小さいのに、なんですかこのパワーは」という感激。これはまさに卵ちゃんたちに感動したときの喜びと激似です! これは手軽でたいへん心地よい。

ヨーヨー・マが参加しているプロジェクト「ゴート・ロデオ」のアルバムから「The Trappings」を再生。

弦楽器のピッツィカート(弦を指で弾く奏法)の生きの良い立ち上がり、低音のほどよい地響き感、男女の声のハーモニーの伸びやかさが、品のいいパワフルさで再生されて歓喜!

しっとりした曲も聴きたくなります。私が愛してやまないクリストフ・プレガルディエンの録音で、シューマンの歌曲「リーダークライス」第7曲「古城にて」を聴きます。

プレガルディエンの声のリッチな深みが、じんわりとしみます。余裕を感じさせるアンプの力は、逆説的ですが、音楽の背後にある美しい静けさをも感じさせてくれるから不思議です。名手ミヒャエル・ゲースのピアノの響きが減衰してゆく様の美しさたるや……

気分が乗ってきたので、デスクトップ・オーディオにも接続してみました。こちらは同じくラックスマン製のハーモナイザーLXV-OT6をつないでいるので、やっぱり重ねたくなりますね。いい感じです。

スピーカーは、手作りしたのが自慢のUBUKATA MODEL —LBR-3“Meilo”(※「迷路」の意。スピーカー内部の音道が迷路のようになっています)を使用しております。

iMacからラックスマン製のハーモナイザーLXV-OT6、同じくデジタルアンプLXA-OT4、そして、オーディオ・アクティビスト生形三郎さん設計のスピーカー・キットUBUKATA MODEL —LBR-3“Meilo”に接続。
ラックスマン×Stereoコラボシリーズの2段重ねです。

いやはや……“Meilo”が音の押し出しが強く艶やかで、非常に元気に歌い出しました!

こちらではオーケストラを聴いてみます。 ヒラリー・ハーンの美しきアルバム『パリ』から、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲のキビキビとした響きや、フィンランドの作曲家ラウタヴァーラの広がりゆく音の地平線が鮮やかに描かれました。

スピーカーの底力を出せている感がすごい!  一皮むけたような鮮やかさ。日頃は真空管アンプを愛用していますが、このデジタルアンプLXA-OT4のカリッとした元気な感じもいいですね! 気分や聴くものに合わせて使い分けてみる楽しさが広がりそうです。

試聴機のレポートでしたが……いいなぁ。物欲刺激されますね(笑)。

その後、組み立ててみた動画をアップ!

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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