情熱を見つけることからブランディングは始まる

「パーソナルブランディング10のステップ」を公開したところ、そもそも自分のブランドがわからない、自分のブランドの見つけかたを知りたいという声をたくさんいただきました。また、「ブランディングは音楽家やクリエイターだけのものでしょう？ 会社員にブランディングは必要ないですよね」という感想もありました。

ブランディングは、なりたい人間になるための作業です。「このままの自分でいいの？」と感じている人が自分を見直す「きっかけ」になります。だから、すべての人に役立つ考えかたなのです。自分だけのブランドを見つけて、人生の可能性を探ってほしい。

では、自分のブランドはどう探すのか。それは自分が情熱を感じる先にあります。「わぁ！」とときめいたり、わくわくしたり、心が動く対象を見つけ、それをブランドに育てます。「情熱を感じることなんて特にないなぁ」なんて言わないで。意識していないだけで、必ず、あなたが情熱を感じるものはあるはず。

自分が情熱を感じるものを見つけるための質問をつくりました。難しく考えずに、アンケートのように気軽に書き出してみてください。答えられなければ飛ばして、答えられる質問から回答します。回答はひとつではなく、思いつくものをどんどん書き出します。

さあ、始めますよ。

何をしているときが楽しいですか？
いま夢中になれるものはなんですか？
それをしている時どんな感情がありますか？（わくわく？ ドキドキ？）
友人や家族へ感じる情熱はありますか？

それはお金や名声ですか？
幸せだと思えるのはどんな人生ですか？
情熱を感じると毎日はどう変わりますか？
情熱に従って行動すると将来はどうなりますか？
諦めたらどうなりますか？

情熱的な人生を送っていて幸せだとしたら、あなたは何をしますか？
どのように振る舞いますか？
あなたにとって夢のような人生とはどんな日々ですか？
成功が保証されているとしたら何をしますか？

情熱を見つけるために何が障害になっていますか？
情熱を追求するために何を信じなければなりませんか？
情熱について信念を持てますか？
情熱的な人生を送ることの欠点はなんですか？

人からアドバイスを求められることはありますか？
その人助けをするとき、喜びを感じますか？
それとも嫌々ですか？
やりがいを感じる人助けはどんなことですか？

長所はなんですか？
短所はなんですか？
自分の好きなところはありますか？
嫌いなことろはありますか？
人からどんな性格だと言われますか？

あなたが得意なことはなんですか？
あなたが苦手なことはなんですか？
得意なことをしているときは楽しいですか？
得意なことをしているときはどんな感情が湧きますか？

あなたが興味を持っていることはなんですか？
その理由はなんですか？
小さい頃になりたかったものはなんですか？
何が好きでしたか？
一時期、夢中になったものはありますか？

「できる、できない」関係なく、本当にやりたいことはなんですか？
小さい頃に憧れて、でも諦めたことはありますか？
それに憧れた理由はなんですか？
いまでも密かに望む内なる声はありますか？

欲しくないもの、要らないものはなんですか？
とても嫌いなものはなんですか？
それはなぜですか？
人生で最悪のパターンはどんなことですか？

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質問をざっと読み終えた人は、面倒がらずに実際に自分のことを書き出してみてください。質問のひとつでもふたつでも実際に書くことで、自分の情熱がおぼろげながらでも見えてきます。情熱が見えてきたら、あとは、小さな一歩を踏み出すだけです。

僕の場合も、そのとき、そのときの情熱に従って、ドアをノックしてきました。須川展也さんのサックスのCD『Beau Soir』を見て「かっこいい〜」と思って始まった音楽人生。『ウエストサイドストーリー』に興奮して、ブロードウェイミュージカルのピット・ミュージシャンを目指した。こんなに音楽に愛されている人を初めて見た！ とその足でフレデリック・フェネル先生を追いかけた。すべて、心が動くとき、その情熱に従って行動し、何年もかけてブランディングしてきたわけです（本連載第２回「僕が指揮者という天職に辿り着くまで」参照）。

自分の情熱を見つけることも、ブランディングをすることも、一朝一夕ではできません。今日、見えてきたあなたの情熱を種にして、これから少しずつ大切に育てていってください。