Netflixで年末年始に見たい、音楽関連の映画3選

今年の年末年始は、年末と正月三が日をはさんで2024年12月28日（土）から2025年1月5日（日）まで、5年ぶりの最大9連休が見込めます。この“奇跡の9連休”に、Netflixで音楽関連の映画を見るのはいかがでしょうか。
ONTOMO編集部おすすめのNetflix映画をご紹介します。

アメリカ音楽界の伝説的存在である指揮者・作曲家のレナード・バーンスタインと女優でピアニストのフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタインがともに歩んだ生涯を振り返る。音楽そのものがいかにして人々を結びつけ、愛や葛藤を超えた普遍的な力を持つかを語る。

監督・主演を務めたブラッドリー・クーパーは、バーンスタインの情熱的かつ繊細な指揮スタイルを圧巻のリアリズムで表現。音楽に対する深い洞察と敬意を持ちながら、バーンスタインの生き様に内包された苦悩や愛情を緻密に再現している。とくに、映画の中で演奏されるマーラーやバーンスタインの名曲が、物語の核となるのも見どころ。音楽と映像が融合する瞬間は、まさにシンフォニーそのものと言える。

物語の中心にあるのは、チェロを極めようとする若き天才たちの競争と執着。主人公シャーロット（アリソン・ウィリアムズ）と、ライバルのリジー（ローガン・ブラウニング）の間に繰り広げられる関係性は、友情、羨望、そして狂気へと変貌する。音楽という美の象徴が、彼女たちの心の奥に潜む暗い欲望をあぶり出し、その結果として予測不能な衝撃が次々と襲いかかる。

クラシック音楽を背景にしたサイコスリラーという独特なジャンルは、この作品の大きな特徴。作品全体に漂う緊張感からは、まるで完璧なフレージングを求められる演奏会の舞台裏を覗いているような感覚を与えられるだろう。

アメリカの劇作家オーガスト・ウィルソンのピューリッツァー賞受賞戯曲『ピアノ・レッスン』を原作にした本作は、20世紀初頭のアメリカ南部を舞台に、アフリカ系アメリカ人の家族が代々受け継いできた象徴的なピアノを巡る物語を描く。

アフリカ系アメリカ人の兄妹ボイウィリーとバーナイスが、家族の歴史を刻んだ大切なピアノを巡って対立。兄はピアノを売って土地を買い新しい未来を築きたいと考え、妹は家族の遺産として守りたいと主張する。それぞれの想いがぶつかり合うなかで、奴隷制の歴史や家族の絆、アイデンティティを問いかける物語が展開されていく。美しい台詞と深いテーマが心に響く、家族と過去を見つめ直す物語だ。